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三里塚第3誘導路裁判―空港の違憲・違法を追及

20190209a-1.jpg 2月8日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、天神峰・市東孝雄さんの農地を守りぬく決意を固めて闘い抜いた。
 この裁判では、被告である国と成田空港会社(NAA)に対し、B滑走路の2500メートルへの延長(2006年)、第3誘導路建設(2010年)という二つの変更許可処分の違憲・違法性を追及し、B滑走路の使用禁止、飛行の差し止めを求めている。
 今回は裁判長の交代に伴う更新手続きとして、弁護団が意見陳述を行った。
 成田空港はそもそも、住民の意思を無視した一方的な閣議決定(66年)からして憲法29条(財産権)、31条(適正手続)に違反し、国際空港の要件を満たさない欠陥空港であり、また軍事空港として造られた、それ自身違憲・違法の存在である。
 その上に、当初の「基本計画」を無視して、B滑走路を短い暫定滑走路として供用開始した上、北に1100メートルもずらして2500メートルに延長した。第3誘導路も基本計画を踏みにじって建設され、市東さんの家と住居を包囲した。こうしたやり放題の歯止めなき空港拡張によって、巨大な騒音と事故・落下物の危険をまき散らし、市東さんをはじめ空港周辺の住民の生活を現に脅かしている。さらに空港機能強化策と称して、これから新滑走路を建設して敷地を2倍に拡大し、大量移転と健康をむしばむ騒音地獄を住民に強要しようとしている。

20190209a-2.png これまでの裁判の中で国・NAAがが市東さんに対し、「原告適格がない」「騒音を承知で住んでいる方が悪い」などと言い放ったことは、強盗の居直りに等しい暴言であり、絶対に許されない。
 この二つの変更許可処分の担当者、責任者が誰なのかを明らかにし、この法廷で証言させよ!――弁護団の意見が法廷を圧倒し、傍聴席から大きな拍手が送られた。
 また弁護団は、裁判所が行っている入庁者全員に対する金属探知機を使った手荷物検査について、強く弾劾した。
 NAAは、弁護団が文書提出を求めていた「騒音健康影響調査」の全データについて、調査委員会の報告書などの提出には応じながら、同委員会の議事録については「提出義務はない」と提出を拒否した。
 国とNAAの代理人は、キャリーケース2個分もの資料を法廷に持ち込み、計10人以上の面子をそろえながら、大半の時間を無言・無表情でうつむいてやり過ごしているだけだ。
 前任の阪本勝裁判長は、弁護団による「責任者を明らかにし証人喚問せよ」という要求に対し、言を左右にして応じないという不当な訴訟指揮を繰り返してきた。弁護団は、今後このような姿勢を根本から改めるよう、内野裁判長に強く求めた。
 次回期日を4月23日として閉廷したあと、千葉県教育会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
 最初に弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士が発言した。「事業における基本計画とは、法人の定款にあたり、そこから外れて勝手なことをするなど到底許されない」。続けて、東京高裁第4民事部が7日に請求異議裁判控訴審での執行停止(担保金100万円)を出したことを報告し、一審の不当判決を打ち砕いて市東さんの農地を守りぬく決意を表した。弁護団全員がそれに続いて、拙速裁判を許さず空港の不正を追及する姿勢を鮮明にした。
 動労千葉執行委員の中村仁さんと「市東さんの農地取り上げに反対する会」が連帯発言を行った。続いて決戦本部長の太郎良陽一さんが、「執行停止が出されたが、気を緩めず、強制執行を実力阻止する陣形を強化しよう」と訴え、市東さんの南台の畑に「空港会社立入禁止」などの2枚の看板を建てたことを報告した。
 最後に伊藤さんが、400万円カンパ運動の推進と2・18耕作権裁判・デモ(午前9時千葉市中央公園集合)、3・31全国総決起集会(成田市赤坂公園)への結集を強く訴えた。(TN)

反対同盟「400万円カンパ」の送り先

<郵便振替> 00130-0-562987 三里塚芝山連合空港反対同盟
<銀行振込> みずほ銀行成田支店 普通預金2074135 イトウノブハル

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