1. HOME
  2. ブログ
  3. 『ロシア革命 現代世界の起点――革命勝利からスターリン主義的変質まで』

『ロシア革命 現代世界の起点――革命勝利からスターリン主義的変質まで』

現代革命ライブラリー第2巻 現代革命ライブラリー刊行委員会編著
定価2000円+税 発行 出版最前線 発売 星雲社
待望の『現代革命ライブラリー』第2巻『ロシア革命 現代世界の起点』がついに発行されました。書店配本・発売は、10月24日以降になります。
 1917年ロシア革命から100年、日本の出版界では、ロシア革命を正面から評価するどころか、ほとんど全ては、ロシア革命を否定し抹殺しようと必死になっています。日本共産党を含めて、民主主義の発展や福祉国家の発展に影響を与えたなどとその世界史的意義をかき消すことに汲々としています。つまり、プロレタリア革命=労働者権力樹立としては認めない、否定したいのです。本書は、そういうものすべてを打ち破って、100年前の話ではなく今の生きた闘いにどう勝利するかの視点で全編貫かれています。
 スターリン主義が歴史的破産を遂げ、帝国主義の最後の延命形態としての新自由主義も行き詰まり、帝国主義戦争への動きが再び強まる一方で、世界中に解放を求める労働者階級の闘いが広がる今日こそ、ロシア革命に新たな光を当て、そこからの教訓をくみ取ることが切実に必要になっています。本書には、本ライブラリー第1巻『ヨーロッパ・アメリカ 労働者の反乱』に続く、革命論の新たな発展が刻まれています。
 本書は、副題に「革命勝利からスターリン主義的変質まで」とあるように、1914年第一次世界大戦勃発からロシア革命に至る過程と、ソヴェト権力樹立後の闘い、コミンテルン結成とドイツ革命、スターリンによる権力簒奪(さんだつ)の20年代後半に至るまでの過程を詳細に描いています。レーニン主義革命論の発展を、現実の階級的激動の中で生き生きと説き明かしています。スターリンが一国社会主義論のもとにロシア革命を歪曲し、世界革命を裏切っていったことを明らかにしています。ロシア革命と世界革命にトロツキーが果たした役割を正しく評価したうえで、レーニンの最後の闘争としてのスターリン打倒の闘いを引き継ぐことができなかった限界と弱点をも抉り出しています。
 とりわけ、スターリンの一国社会主義論とは何か、それは具体的にはどんなものであり、現実的過程において何をもたらしたか、を明らかにしています。
 革命的共産主義運動が1960年代に確立した反帝・反スターリン主義世界革命の思想と路線を、ロシア革命の今日的検証を通して一層深めるものとなっています。
 21世紀の今日において、ロシア革命の全体像を学び直し、現代革命の展望を切り開くために、すべての先進的な労働者学生市民が本書を手に取り、読まれるよう、強くお薦めします。


 以下は、本書中の章見出しと、各章の扉に記された案内文です。
 
●序章 第一次世界大戦とロシア革命
 ロシア革命は第一次大戦の真っただ中で起こった。ツァーリ専制と弾圧、戦争によるおびただしい犠牲と災厄を終わらせたのはロシア労働者階級自身の闘いだった。しかし、ボリシェヴィキ党の存在なしには革命は勝利できなかっただろう。
 第二インターナショナルの崩壊を乗り越え、ソヴェト権力=プロレタリアート独裁樹立に至る勝利は何によってもたらされたのか。
【補論1】ロシア革命とレーニン革命論の発展

●第1章 2月革命とレーニン「4月テーゼ」
 労働者の反乱と軍隊の蜂起によってツァーリの権力を倒した2月革命。労働者権力の機関・ソヴェトが誕生するも、その指導部はブルジョアジーの臨時政府に国家権力を譲り渡す。いわゆる「二重権力」が生まれた。
 レーニンは、労働者権力―プロレタリア世界革命を実現するため、危険を顧みず亡命地スイスから帰国、「4月テーゼ」を発する。ここからボリシェヴィキの快進撃が始まった。
 
●第2章 10月武装蜂起=労働者権力樹立
 7月弾圧によってボリシェヴィキの指導部が奪われ、革命の破竹の進撃は壁にぶつかった。しかし、地区や職場の労働者の組織は崩れなかった。破局に陥ったのは支配階級だった。支配層の破局は、ケレンスキーによる独裁権力の野望、小ブルジョア的民主主義派のあがき、軍部の反革命反乱を引き起こした。
 動と反動が渦巻く中で、どのように武装蜂起=10月革命は実現されたのか。
 
●第3章ソヴェト権力樹立後の闘い
 ソヴェト権力は、パリ・コミューンより長く生き延びた。帝国主義列強による干渉戦争をはね返し、ヨーロッパ部からシベリアまでロシア全土に広がる内戦を戦い抜いた。
 労働者権力は、経済の疲弊、農業農民問題、赤軍建設、過渡期の労働組合論争など、未経験の困難に立ち向かった。戦時共産主義期の危機と矛盾が爆発する。この危機を打開するためにネップ(新経済政策)に転換した第10回党大会の核心は何か。

●第4章 コミンテルンとドイツ革命
 ロシアに続きドイツでも革命の波が広がった。1918年秋、ドイツ革命が開始され、労働者階級は闘いの中でゼネストの機関・労兵評議会(レーテ)を生み出す。レーテを誰が握り、何を目指すのか。この混沌の中で社民党政権と軍部がローザ・ルクセンブルクら左派指導者を虐殺した。
 世界革命の帰趨を決するドイツ革命の勝利のために第三インターナショナル(コミンテルン)はどう闘ったのか?
【補論2】レーニン『左翼空論主義』について

●第5章 ロシア革命と世界革命
 レーニンの最後の闘争は、官僚主義と大ロシア排外主義をむき出しにしたスターリンを打倒する闘いだった。だが、トロツキーはこれを引き継ぐことができず、スターリンらの「三頭体制」に屈服した。
 トロツキーは合同反対派を形成して、一国社会主義論を掲げて世界革命を裏切るスターリンと対決したが敗北した。スターリン主義成立の原因を歴史の根源から追究し、21世紀革命勝利の展望を打ち出す。

●終 章 21世紀反帝・反スターリン主義世界革命勝利へ

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事

アーカイブ

月を選択