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横浜刑務所でクラスターが発生、全受刑者の即時釈放を

「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」は、須賀同志の訴えに応え「全受刑者の即時釈放」を要求する街頭宣伝を行った(1月26日昼 霞が関)

新型コロナ感染拡大の第3波が襲う中、昨年12月から横浜刑務所でクラスターが発生し、今年に入ってますます拡大していることが明らかになった。法務省は1月12日に、職員と受刑者合わせて38人が感染したと発表。18日には感染者数は88人となり、22日には職員15人・受刑者87人の計102人へと拡大した。
横浜刑務所には、1987年の迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧で無実でありながら懲役11年の不当な有罪判決を受け、下獄した須賀武敏同志が収監されている。刑務所当局は12月20日から受刑者の工場への出役を中止したが、クラスター発生の事実は覆い隠していた。1月12日の法務省発表は感染者の増大を隠し切れなくなった結果である。
須賀同志が訴え
須賀同志の獄中からの訴えによれば、感染拡大によって工場作業だけでなく屋外での運動も入浴も中止、家族との面会も一切禁止となった。1月10日からは朝昼晩の食事が全て災害時用の非常食に切り替えられ、おかずはほとんどなく、温かいみそ汁やスープなどは全くなし。分量も従来の3分の1程度に減らされた。
最も重大なことは、感染防止に必要な措置が受刑者に対しては一切とられないまま放置されていることだ。職員である刑務官は全員、防護服に身を包み、マスクとフェイスシールド、手袋を着用して完全武装しているが、受刑者にはマスクが今年に入ってたった1枚支給されただけである。汚れたらそれを洗濯して使えというのだ。自費購入も許されていない。さらに受刑者が収容されている建物内では、室内も廊下も消毒が全くされていない。
加えて、以前は週1回実施されていた医務官による巡回医療相談や、医師の診察・検査などは全て中止された。毎朝必ず行われていた検温すらもなくなった。感染した受刑者がどうなっているかも不明である。
これは恐るべきことだ。コロナ禍で暴かれた医療崩壊の現実が進む中、今や事実上の「命の選別」=トリアージが始まり、入院もできずに死に追いやられる人々が増えている。横浜刑務所で起きているのは受刑者の命は守らなくていい、全員死んでもいいという、極悪のトリアージだ。
須賀同志は「こんなことを許していいのか! このままでは死者が続出する。絶対に粉砕し、今すぐ全員の仮釈放を求めて闘うべきだ」と訴えている。
弁護団が要望書
 爆取裁判の再審弁護団は1月26日、法務大臣と横浜刑務所長への要望書を提出し、①須賀武敏氏の釈放または刑の執行停止、②被収容者と職員全員のPCR検査実施と陽性者の隔離を基本とする感染拡大防止策の徹底、③感染者に対する治療の充実と外部交通の確保、④面会制限の撤廃の4項目の実施を求めた。そして法務省に対し、「横浜刑務所が被収容者の生命と健康を守るために十全な措置をとることができるよう、具体的施策を提示し、十分な人的・物的な手当を行うこと」を要求した。
 「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」も26日、須賀同志の告発と訴えに応えて、法務省・横浜刑務所と菅政権に対し「全受刑者の即時釈放」を要求して、霞が関での街宣に立ち上がった。
刑事施設でのコロナ感染は、大坂正明同志のいる東京拘置所でも11人の感染が報告されており、全国各地でも発生している。韓国をはじめ諸外国ではすでに、コロナ感染拡大阻止の一環として刑務所からの収容者の大量解放がなされている。菅政権がこれを拒否することは「人道上の犯罪」以外の何ものでもない。絶対に許さず、全労働者人民の声と行動の力で獄中同志の命を守りぬこう。

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