刑務所の医療放棄許さぬ/星野文昭さん国家賠償請求訴訟/獄死の責任を徹底追及
9月9日、東京地裁民事第14部(村主隆行裁判長)で星野文昭さん獄死の責任を追及する国家賠償請求訴訟の第7回口頭弁論が行われました。
法廷は、被告・国が提出した「準備書面(6)」に全面的に反論する場になりました。弁護団は「原告第4準備書面」と布施幸彦医師(ふくしま共同診療所院長)の「意見書」を提出しました。同時に「調査嘱託申立書」を出しました。
裁判は、裁判官が代わったことに伴う原告・星野暁子さんと藤田城治弁護士の意見陳述から始まりました。暁子さんは、手術直後に主治医の説明を聞いて「本当に喜びました。文昭は救われたと思いました」と述べました。この日の夜、「星野さんの手術成功」という連絡が全国を飛び交いました。しかしその時、「文昭は命の危機にさらされていたのです」と怒りと悲しみを込めて被告・国を弾劾しました。
原告である兄の星野治男さんから届いた陳述書を弁護団は併せて提出しました。そして、藤田弁護士が「原告第4準備書面」の要旨を説明しました。これは布施医師の意見書に基づいて「準備書面(6)」を全面的に打ち破るものです。
「調査嘱託申立」について被告代理人が「不必要」と主張しましたが、裁判長は「争点と関係ないとは言えない。採用する」と答えました。2019年3月1日のエコー検査で星野さんの肝臓に巨大な腫瘤(しゅりゅう)を発見した徳島刑務所が市内の病院に送ったという「診療情報提供書」が証拠の中にあります。しかし、これに対する回答書がありません。本当に文書を送ったのかどうか、裁判所に調査を行うよう申し立てたものです。
その後、医師の意見書について土田元哉弁護士が「布施先生の他に、肝臓がんの専門医等2人の意見書を提出する予定です。遅くとも年内に出します」と表明しました。
終了後、日比谷図書文化館コンベンションホールで報告会が行われました。土田弁護士、和久田修弁護士が「第4準備書面」の内容を分かりやすく報告し、短時間ですが質疑応答もありました。星野暁子さんが家族の思いを語り、陳述書を読み上げました。
その後、日比谷公園霞門に移動し、初参加者も含めて60人が小雨の中を法務省弾劾デモに出発しました。学生を先頭に法務省前では怒りのシュプレヒコールを一段と高く響かせ、意気高くデモを行いました。
次回期日は11月15日。被告・国が反論を提出する予定です。これを徹底的に打ち破り星野国賠闘争に勝利しましょう。(星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議・金山克巳)
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