入管法案の強行採決を弾劾する/戦争と差別の強化狙う大改悪
●連日、国会に響く「法案阻止」の怒りの声
6月8日、入管法改悪案が参議院法務委員会で強行採決された。採決を阻止しようと国会前に駆け付けた数百人が「採決するな! 命を奪う入管法改悪反対!」と声を限りに叫ぶ中での暴挙だった。絶対に許せない! 改悪強行に対して百倍千倍の反撃をたたきつけ、戦争に突き進む岸田政権打倒へ突き進もう!
1日に参議院法務委員会で杉久武委員長(公明)が職権で法案の採決を決定。これに対して委員長解任動議が提出されたため、採決は見送られたが、翌2日に参院本会議で動議は否決された。
しかしすでに入管法改悪の立法事実は崩壊している。大阪入管で1月20日、常勤医の飲酒問題が発覚。この医師は泥酔状態で診察を行い、暴言や誤った薬を処方していた。2年前、点滴すら受けられずに名古屋入管でウィシュマさんが亡くなった事件の対策として法務省・出入国在留管理庁は、常勤医の補充など医療体制を改善したと主張してきたが、その実態が暴露されたのである。
さらに難民審査参与員として「難民をほとんど見つけることができなかった」と発言し、今回の改悪案の根拠にもなった柳瀬房子。その柳瀬が主張する「1年半で500件の対面審査」について5月30日、齋藤健法相自ら朝に「可能」と言いながら夜に「不可能」と訂正(!)したのだ。
こんな入管法改悪案は廃案あるのみだ。国会正門前では5500人に続き、6日も4000人がが集まり、「入管法改悪ノー!」「廃案しかない」「難民の命を奪うのか」と怒りの声を上げた。同時に全国で数千数万の人々が反対行動に動いた。
この大衆的な怒りを受けて6日朝、野党議員らが齋藤法務大臣の問責決議案を提出したが、本会議で否決。8日の法務委強行採決から9日に参院本会議採決・成立が狙われている。
今なぜ入管法改悪なのか。参院法務委員会で日本維新の会の鈴木宗男は「国益なくして、人権もない」と言い放った。これにはネットで「『お国のために死ね』という戦時中のままか」などの批判が殺到した。
しかし鈴木暴言は、岸田の本音だ。G7サミットでウクライナ戦争参戦、中国侵略戦争へと踏み込んだ岸田政権は、難民だろうが何だろうが「国益にそぐわない外国人」を排除できない現行入管法では、戦争ができないと焦っているのだ。
戦争・紛争や祖国の民主化闘争の弾圧から逃れた難民、様々な理由で在留資格を失った人々の命を奪おうとする入管法・入管体制との闘いは、日本の労働運動の正面課題であり、戦争に突き進むこの国を解体する革命闘争だ。
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