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韓国全土で物流ストップ ユン政権追いつめる実力決起

韓国ポハン市にあるポスコ本社前でのスト突入集会(6月7日)

韓国で6月7日から14日まで、民主労総の貨物運送労働者による大ストライキが闘われた。8日にわたり韓国全土の物流を止め、自動車や鉄鋼、石油化学などの大工場を操業停止に追い込んだこのストライキは、燃料費の高騰をはじめインフレによる激しい生活破壊の中で、労働者階級の生存権を実力で守り抜く闘いの突破口となった。
無期限スト突入を呼びかけ、貫徹したのは、民主労総傘下の公共運輸労組貨物連帯本部(貨物連帯)の組合員2万5千人だ。重要なのは、この貨物連帯の決起に応えて、全国42万人の貨物労働者のうち組合に組織されていない労働者の7割以上が自主的にストに合流し、ともに立ち上がったことだ。その結果、スト2日目にはプサン港の80%が停止。他の主要港湾も95%が停止し、ウルサンなど工業団地の100%近くが出荷停止に追い込まれた。これが資本家階級とユンソンニョル新政権を土壇場に追いつめたのである。
まさに、労働者が階級として一つに団結し、資本と絶対非和解で闘えば勝利できることが示された。
トラック運転手などは、流通資本の支配下にありながら労働者ではなく個人事業主として扱われている。荷主が支払う運賃からガソリン代や車両の整備費を差し引けば、手元にはわずかしか残らない。このため民主労総は長期にわたる闘いにより、燃料費が上がれば政府の補助金で穴埋めするなど生計の維持を保障し、過労や過積載、それに伴う事故を防ぐ仕組みを「安全運賃制」として2020年に導入させた。だがこの安全運賃制は22年末に廃止が予定されており、制度の継続と拡大適用が労働者の死活的な要求となっていた。
貨物連帯は6月7日、全国16の地域で一斉にスト突入集会を開き、「貨物労働者の怒りが極限に達した。もう譲歩も、共生も、忍耐もない。私たちは闘争で私たちの存在を証明し、力で私たちの権利をかちとる」と宣言した。
ユン政権はこれに対し、貨物労働者の団結権そのものを否定して「ストは違法」と強弁し、10日までに43人を警察に連行する暴挙に出た。だが前述した非組合員の決起に加え、各地の市民団体もストを支援し、ソウルの大学街には「安全運賃制は貨物労働者の最低賃金だ」と貨物連帯を支持する壁新聞が貼りだされた。こうしてユン政権は、最後は産業界の「韓国経済が崩壊する」との悲鳴を前に、安全運賃制の継続を約束するところまで追いつめられたのだ。
民主労総は今や、ユン政権との全面対決に入った。固く連帯して闘おう。

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