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韓国 労組破壊と実力対決 家族ぐるみで工場占拠

20160825b-1.jpg 7月ゼネストをかちとった韓国・民主労総は、パククネ政権と資本の激しい弾圧・破壊攻撃と闘いつつ、9月第2次ゼネストの爆発に向け不屈に前進している。その重要な焦点のひとつが金属労組甲乙(カプル)オートテック支会の闘いだ。
 甲乙オートテックは現代自動車の工場に部品を供給している会社だ。現代自動車資本はこの間、労働組合破壊を専門的に請け負う「創造コンサルタント」という業者を使い、下請け会社をいったん丸ごと廃業させて組合員全員を解雇するなど、悪質な攻撃を繰り広げてきた。その中でも逆に団結を強めてあらゆる攻撃をはね返し、資本の前に「岩盤」となって立ちふさがってきた拠点職場のひとつがこの甲乙オートテック支会である。

 資本は昨年、組合へのむきだしの白色テロ襲撃をしかけてつぶそうと試みた。そのために警察や陸軍特殊作戦司令部の出身者を職員として偽装採用し、第2組合をつくらせ金属労組組合員にテロルをふるわせた。だが支会の団結と総決起によって会社のもくろみは大失敗し、第2組合は工場からたたき出され、襲撃を指揮した会社幹部は裁判で有罪判決を受けた。
 追いつめられた資本は今年に入って新たな攻撃に出た。業務の外注化には組合との合意が必要との団体協約を破棄して、警備業務の外注化に一方的に踏み切ったのだ。そしてストに突入した労組に対し、スト破壊のための暴力的な職場閉鎖を強行した。8月1日には工場を占拠して闘う労働者に対し、外注先の民間警備会社のガードマンを差し向け、新たな襲撃と破壊をたくらんだ。警察権力もこれに呼応して隙あらば介入・弾圧する態勢をとった。
 甲乙オートテック支会の400人余の組合員は全員、不当な職場閉鎖の撤回と労組破壊攻撃の中止、支会との交渉を要求し、工場内での徹夜座り込み闘争に突入してすでに50日以上、闘いぬいている。支会長はその決意を「ともに生きなければともに死ぬ。私たちが生きる道はこの工場を守ることだ。またその道はこの工場を生かすことでもある。最後まで工場を死守して必ず勝利する」と語っている。
 家族もまた家族対策委員会を結成してともに決起した。工場の正門前で開かれる集会では、子どもたちが「私たちの精神的支柱であるお父さん」と呼びかけ、父親や母親を激励して一緒に立ち上がっている。
 酷暑の中、食料や水を分かち合い、全組合員が家族ともども一人の例外もなく団結して資本と非和解の闘いを貫いているその姿は、「資本が最も恐れる民主労組」(キムサング金属労組委員長)そのものだ。民主労総はこの闘いを「民主労組死守闘争の根拠地」と位置づけ、「資本の貪欲(どんよく)と弾圧に抗して闘うすべての労働者の希望をつくる最前線」だと訴えて、全力でその支援に取り組んでいる。
 甲乙オートテック支会の不抜の団結は、資本との激しい攻防の中で、労働組合としての原則的な闘いをどこまでも非妥協的に貫き通すことを通して築かれてきた。現代自動車グループ傘下のほかの職場ではすでに非正規職化が圧倒的に進んでいるが、甲乙オートテックでは全労働者668人の97%、648人が正規職である。労働組合が闘って闘って、非正規職化を絶対阻止し続けてきたからこその数字だ。規模は小さくともこのような労組拠点が不屈に存在し続けていることが、大工場をも含めた金属労組15万の戦闘性と階級性を根底で支えている。
 だからこそパククネと資本家階級は今、ここをたたきつぶすことに一切をかけている。この「最前線での死闘」に勝ち抜いて、今秋11月のより巨大な決戦に挑もうとしている民主労総と固く連帯して闘おう。

〔写真〕資本の職場閉鎖攻撃と対決し、工場内に座り込んで糾弾集会を開く金属労組忠南支部甲乙オートテック支会の組合員。右手前には家族がともに座り込んでいる(7月25日夜 忠清南道・アサン市)

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