米の中東侵略の先兵=イスラエルにもストの波
4月7日、イスラエルのテルアビブ証券取引所が一時休場した。そこで働く労働者がストライキに入ったためで、要求は15%の賃上げと一時金の引き上げなどだ。 2007年以来、イスラエルではストが頻発している。イスラエル労働省の発表によれば、ストで失われた労働日は、07年に250万日(前年比200倍増)と飛躍的に増えている。07年に闘われたストのうち、63%が1日以上のストだ。ストの83%は公共部門のストであるという。
(写真 07年3月のゼネストに決起したイスラエルの労働者)
ストの日数を爆発的に押し上げたのは、07年3月に行われたゼネストの位置が大きい。このときは、政府による給料の遅配・欠配に抗議して15万人の労働者(公務員)が立ち上がった。ストに入ったのは、国防省や保健省をのぞく各政府官庁、港湾、中央銀行、自治体、鉄道、近距離交通、電気、清掃、郵便・電話、空港などで、それらを機能停止に追い込む文字どおりのゼネストであった。それは、06年7?8月のイスラエルによるレバノン侵略戦争とその敗北で大きな軍事的・精神的打撃を受けていたオルメルト政権を揺さぶり、直ちに成果をおさめるものとなった。
このゼネストはヒスタドルート(イスラエル労働総同盟)のもとで行われた。もちろん同組織はシオニズムの支柱である。だが、このような右派組合のもとでも、また対パレスチナ侵略戦争下の戒厳令的状態のもとでも、労働者の総決起があったという事実はきわめて大きな意味をもっている。07年にはまた、教職員のストも大きな比重をもった。
イスラエルは、アメリカが中東に人為的につくった帝国主義の出城のような分割基地国家で、アメリカの政治・軍事・経済に大きく依存し従属している。このイスラエルが外における対アラブ侵略戦争での敗北・泥沼と内におけるストライキに大きく揺さぶられている。さらに、アメリカ発世界金融大恐慌が直撃している。帝国主義の中東侵略の先兵=イスラエルに瓦解の危機が迫っている。(た)
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