命を守れ!世界のメーデー 経済優先する政府・資本と対決 団結した労働者は負けない!
アメリカ覆う新たな闘い
米大統領トランプはメーデー当日の5月1日を「経済再開」の日に定め、十分な防護策もないまま労働者に職場に戻るよう命じた。
この間トランプは、労働者の怒りや不安につけこんで「経済が止まれば多くの労働者が命を落とす」とあおり、これと呼応した極右勢力が「アメリカを再開しろ!」をスローガンに星条旗を打ち振ってデモを展開している。
しかし、コロナで死ぬか飢えて死ぬかという選択を迫ることなどふざけ切っている。十分な対策も補償もないままに経済再開を叫ぶトランプこそが、労働者の命を奪っている張本人だ。経済を守るために命を差し出せという政府と資本に対し、米労働者民衆は歴史的な反撃を開始した。
ILWUが港湾封鎖8時間敢行
「殺された仲間たちを忘れるな! 生き抜くために闘おう!」――カリフォルニアでは、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10、34、91がオークランド港の8時間封鎖を敢行し労働者の力を見せつけた。
港で行われた集会では、ローカル10のトレント・ウィリス委員長、ローカル34のキース・シャンクリン委員長らが、新型コロナから労働者と地域の安全を守る闘いについて訴え、マスクや手袋などの防護具の支給を求めて声を上げた。
ここには、学部生に教える教育労働者としてストライキを闘っているカリフォルニア大学サンタクルーズ校などの大学院生も参加し、教員や移住労働者の組織化について報告した。
移民団体代表は、クラスターが発生しオークランド港に停泊中のグランド・プリンセス号に500人以上のフィリピン人船員が監禁されていることを弾劾。
教育労働者も次々と発言。地元オークランドの教師は、学校が休校となる中で多くの子どもたちがオンライン授業を受ける環境のないまま取り残されている現状について訴えた。
さらに配達労働者やトラック運転手、ファストフード店の労働者も発言。最後に退職組合員のクラレンス・トーマスさんがメーデーの歴史を振り返り、港の民営化反対を訴えた。
集会後はオークランド市街のキャラバンに出発だ。ボードや横断幕を張り付けた自動車と自転車数百台からなる隊列が市街をデモし、人々に労働者の団結と闘いを呼びかけた。開け放たれた車の窓からは音楽が流れ、スローガンや映像を映し出す電光スクリーンが牽引(けんいん)された。
キャラバンは、刑務所前では全ての収容者の解放を、学区事務所前では全ての子どもたちへの公平な教育を、市役所前では「権力と資源を人民へ」、病院前では全ての人々への無償の医療を、労働者がストで闘うスーパーの前では労働者を守れと訴えて進んだ。
アマゾン先頭にゼネストに突入
この日、アメリカはストの波に覆われた。看護師は、13州の139病院で防護具を求めて抗議行動を決行。アマゾンやウォルマートなどの労働者は、安全な労働環境や危険手当を求めてロサンゼルス、ニューヨーク、シアトルなど全米でゼネストに突入した。重要なのは、こうした新たな運動を既存の労働組合が支え、ともに闘う動きが始まっていることだ。
さらに、家賃不払い運動も合流した。コロナ解雇によって労働者の5人に1人が失業し、失業保険の申請が7週間で3300万件を突破する中で、4月の第1週には借家に住む人の約3分の1が家賃を払えない状態となった。現在、こうした状況のもとで生き抜くために、1929年大恐慌直後と同様に家賃不払い運動が急速に拡大している。
メーデーにあわせた統一行動として各地で行われた自動車キャラバンは、家賃や住宅ローン、光熱費、借金債務の不払いを訴え、「不動産や企業の利益ではなく、われわれの命を優先しろ!」「すべての人々に家を!」と声を上げた。
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