7・20〜22韓国で大ゼネスト 「労働改悪」粉砕・戦争阻止せよ 資本の支配を覆すと宣言
韓国では労働者階級が民主労総(全国民主労働組合総連盟)を先頭に、パククネ政権の反労働者政策と戦争政策に反対して大闘争に立ち上がっている。7月20日には「終わらせよう、財閥の世の中、悪い政権!」を掲げて民主労総が呼びかけたゼネストに、全国250の職場で10万人が決起した。22日には金属労組15万人がストに入った。さらに全国鉄道労組を先頭とする9月第2次ゼネスト、11月20万人民衆総決起が呼びかけられている。これと連帯し、今秋11月を日韓労働者の歴史的な共同闘争として闘おう。
●9月無期限スト突入の方針
民主労総は昨年来、パククネが「労働改革」の名で仕掛けてきた攻撃をゼネストで粉砕し続けてきた。「労働改革」とは安倍政権が掲げる「働き方改革」と同じだ。従来の雇用や賃金制度を全面的に破壊して、解雇の自由化や賃金の大幅切り下げ、全労働者の総非正規職化・無権利化を可能にする。最大の狙いは労働組合の破壊と労働運動の圧殺にある。民主労総はこれに、「労働者の最低の生存権さえ奪う、こんな社会は終わらせろ!」と叫んで、資本家階級とその国家を真っ向から実力で打ち倒すために立ち上がっている。
7月20日、全国14カ所で同時開催されたゼネスト大会では、昨年の闘争で実刑5年の判決を受け獄中にあるハンサンギュン民主労総委員長の釈放要求が高く掲げられ、9月第2次ゼネスト、11月民衆総決起闘争への進撃が呼びかけられた。首都圏の大会では、チェジョンジン委員長職務代行が「連帯し団結して闘争することが民主労総が進むべき唯一の道だ。労働者民衆を死に追いやる政権と資本に対し、2千万労働者の絶望ではなく希望を、闘いによってつくりだそう」と訴えた。
さらに、公共運輸労組のチョサンス委員長がこの場で、鉄道・ガス・病院など公共部門の労働者が9月27日を期して民営化阻止の無期限ゼネストに突入すると宣言。鉄道労組のキムヨンフン委員長が、パククネによる鉄道全面民営化攻撃の撤回がなければ、再び2013年末の23日間の大ストライキに続く闘争に立つとの決意を表明した。
続く7月22日には、金属労組15万人がストに決起した。金属労組としては1997年以来最大規模のストとなった。その中から3万人がソウルに上京し、現代自動車本社前など2カ所で集会を開き闘った。
特筆すべきは大工業地帯の蔚山(ウルサン)での闘いだ。蔚山では7月20日、自動車・造船・建設職場を中心に5万8500人が一斉にストに突入した。大恐慌下の大量整理解雇攻撃に直面した造船労働者が民主労総のゼネストに合流して闘うことを決定し、その中心組合である現代重工業労組がこの日、民主労総所属の金属労組現代自動車支部やプラント建設労組などとともに、総力でストに入ったのだ。
現代自動車と現代重工業の労働者が共同闘争に決起するのは、1993年以来23年ぶりである。1987年労働者大闘争の主役だった蔚山の基幹産業労働者がゼネストの中心に登場したことは、全労働者の決意をさらに高めている。
●「サード」配備の撤回求める
7・20ゼネストは同時に、米日韓軍事同盟のもとで切迫する朝鮮半島での新たな戦争への労働者人民の危機感と怒りを、決定的に解き放つ場となった。各地のゼネスト大会では、労働改悪粉砕のスローガンと並んで、米の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD=サード)の韓国配備阻止が高く掲げられた。
21日には、サード配備予定地の慶尚北道・星州(ソンジュ)の住民2千人がバス52台を連ねてソウルに上京し、配備の白紙撤回を求めた。これに先立つ15日には、「決死反対」の鉢巻きをしめた住民3千人が、現地に説明に訪れた首相と国防長官に卵を投げつけ、逃げ出そうとする車を取り囲んで6時間も立ち往生させる闘いが爆発した。
慶尚北道星州郡はパククネの昔からの地盤であり、12年末の大統領選では住民の86%がパククネに投票した。それが今や、パククネへの支持を「血を吐く思いで反省している」と語り、絶対非和解の総反乱に決起したのだ。衝撃を受けたパククネは、「外部勢力、従北勢力(=北朝鮮の手先)が住民を扇動している」とわめき、民主労総への敵意をあおることで逆に墓穴を掘っている。
韓国での闘いが今秋、パククネ打倒へさらに前進していくのは間違いない。今年の11月労働者集会を、日韓労働者の連帯を軸に、国際連帯の力で戦争を阻止する歴史的大闘争としてかちとろう。
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