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韓国・済州島で海軍基地建設工事阻止の激突始まる!

s20110826a-1.jpg 韓国・済州島(チェジュド)で新たな海軍基地建設の着工をめぐる攻防が火を噴いた!
 8月24日午後2時、西帰浦(ソギポ)市江汀(カンジョン)村の海軍基地建設現場で施工業者がクレーンを組み立て始めた。この事態を阻止しようとカンジョン村の住民と警察が激突した。数人が負傷し、カンドンギュン村会長など5人が業務妨害などの容疑で警察に捕まったのだ。反対運動のリーダーである村会長の強制連行に抗議する住民たちと警察の肉弾戦が1時間にわたって続き、さらに住民たちは海軍基地事業団の前を車両でふさぎ、村会長の釈放を要求して対峙し続けた。 

s20110826a-2.jpg 捕まった5人の内3人は西帰浦警察署に移送されたが、カンドンギュン村会長ら2人は海軍基地事業団の中にいた。村会長を乗せた警察車両が正門を出てくるや、住民らはその車を取り囲んで釈放を迫り、7時間にわたって移送を阻止した。夜10時ころ、駆けつけた済州道議会議長や宗教者の仲介で警察署に移送した上で釈放することが条件付きで合意された。その間、工事現場正門前ではデモが続けられていたが、夜12時すぎまで待っても釈放されないではないか! 住民たちは警察署前での抗議座り込みに突入した。
 翌25日も座り込みは続いたが、警察は釈放するどころかカンドンギュン村会長ら3人の拘束令状を請求したのだ。さらに昼過ぎにはパトカーに登って抗議したムンジョンヒョン神父が連行された。
 しかし、住民らの怒りに震え上がったのは警察権力の側だ。26日付で西帰浦警察署長を更迭したが、警察権力の失墜を取り戻すことなど不可能だ。
 済州島カンジョン村に建設しようとしている新海軍基地が、アメリカ海軍の対中国ミサイル防衛(MD)s20110826a-3.jpg基地であることは今や公然の秘密だ。建設計画は2005年に始まり、反対闘争は07年から4年に及んでいる。カンジョン村民(ほとんどが農漁民)の村ぐるみの闘いを先頭に「済州海軍基地建設阻止のための全国対策会議」が組織され、韓国各地から労働者、学生、宗教者、市民らが連帯に駆けつけている。まさに労農同盟を軸とする全人民的闘いが実力闘争として発展しているのだ。
 建設阻止の座り込みに対し、7月以降、地元警察が24時間張り付いて警備していたが、これに代わる部隊として、8月14日にソウル・京畿地域から放水車・装甲車・大型バスなどの警備車両とともに600人の警察部隊が済州島に到着した。カンジョン村は「公権力投入か! 超非常事態!」となった。「済州4・3事件の悪夢が再現されている」との危機感も高まっている。韓国海軍はカンジョン村住民と活動家らに「工事地域接近禁止仮処分」を申請しており、この「判決が出たら措置をする」(キムグァンジン国防部長官)構えだ。
 激突直前の24日午前11時、高まる緊張の中、カンジョン村会と氾国民対策委、5野党は「済州海軍s20110826a-4.jpg基地全面白紙化のための国民行動」に突入した。記者会見を行って「海軍はこの4年間、カンジョン村の住民を対象に各種の告訴・告発の乱発と人権じゅうりんで住民の胸に大きな傷を残した」「住民の人権と生存権を脅かして村共同体と環境を破壊する済州海軍基地事業は、全面的に再検討するのが当然だ」と主張し、「カンジョン村の住民と済州道民はもちろん、国民すべてと平和を願う世界の人びとと最後まで闘う」と宣言した。
 建設予定地となっているのはカンジョン村の中徳海岸(クロムビ)。一枚岩のクロムビ岩からは水がわき出ているという美しい海岸を直径1・2㌔にわたってセメントで固めて侵略基地をつくろうというのだ。まだ見たことのないクロムビの海岸が、豊かな辺野古の海と重なって見える。済州海軍基地建設阻止闘争と連帯して闘おう! 日本からも連帯声明、抗議の声を届けよう!(M)
 写真は上から①村会長らの釈放を要求し、海軍基地事業団正門前で鎖を首に巻いて座り込む住民たち、②移送を阻止されて立ち往生する警察車とそれを取り囲む警官隊、③④「仮処分撤回」「クロムビを生かそう」のスローガンを掲げ、クロムビで闘いを宣言する人々。 

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