九州電力とJR本社へ、九州で一日抗議行動
4月1日、福岡県労働組合交流センターと合同労組レイバーユニオン福岡、百万人署名運動福岡県連絡会は、福島第一原発大事故を徹底弾劾し、玄海原発、川内原発の永久停止・廃炉を要求する九州電力抗議行動を行った。
九州電力は、佐賀県で玄海原発、鹿児島県で川内原発を運転しており、特に玄海原発では昨年からプルサーマル発電を強行している。プルサーマル発電は、使用済みの核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混合させた燃料を燃やすという原発の中でも極めて危険な発電である。今回の福島原発の1号機3号炉で行われていたのもプルサーマル発電であり、実際に事故後にプルトニウム汚染を拡大している。
九州電力前に集まった労働者たちは、「原発即時停止! 被災地を支援しよう!」というシュプレヒコールをあげ、九州電力を代表して出てきた広報部長に、福岡労働組合交流センターと百万人署名運動福岡県連絡会の仲間が「福島第一原発事故糾弾! 玄海原発、川内原発を永久停止・廃炉にせよ!」「玄海原発2、3号機の5月再開を中止せよ!」という抗議文をたたきつけた。
九州電力は、「今回のような事故が起きたときのために、電源車を新たに設置します」などと、福島原発のような事故が起きることを前提に玄海、川内原発を維持し続けることを公言した。怒りは爆発し、一斉に「安全というのはデマではないか」「原発は即時停止だ」「真部九電社長は地元と話し合って5月に再開すると言っている。地元とはどこまでだ」「福島原発でプルサーマル発電の危険性は証明された。再開はやめろ」と、あくまで原発稼働再開を進める九電を徹底弾劾した。広報部長らは、抗議団の気迫に押され、慌ててビル内に逃げ帰った。抗議団の怒りはおさまらず、「原発を止めるまで何度でもここに抗議に来るぞ!」と決意を明らかにし、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
九州電力抗議行動を終えた後、博多駅前にあるJR九州本社前に移動し、「国鉄全国運動・九州」呼びかけのJR九州本社抗議行動を闘い抜いた。
4月1日は、1990年に1047名の国鉄労働者がJRから首を切られた日だ。この日「国鉄全国運動・九州」は、羽廣憲さん(国労小倉地区闘争団)、石崎義徳さん(国労鳥栖闘争団)を先頭に、JR九州本社に「解雇撤回・原職復帰」を求め、同時に外注化をはじめとした合理化攻撃を弾劾し、JR労働者に決起を訴えた。これまでJR九州新本社前抗議行動は一度もやられたことがない。博多駅前座り込みは11年前から中止になっていた。まさに4・1JR九州本社抗議行動は、JR東日本本社、JR西日本本社抗議の闘いと一体となった初の抗議行動になった。
JR九州は、博多駅の全面改装をはじめ巨費を投じて「九州新幹線全面開通祝賀ムード」一色に染め上げようとしてきた。またその裏では、こっそり運賃値上げや3月ダイ改でのローカル線運行削減を強行する卑劣ぶりだ。ところが祝賀式前日、東日本大震災が起こり、祝賀式は中止、「日本列島を縦断する新幹線網の開通を祝おう」などという宣伝は吹き飛んでしまった。意気消沈しているただ中で今回の4・1抗議行動がたたきつけられ、JR九州は大あわてになった。
JR九州本社前に登場すると、多数のJR職員が入り口を封鎖し、「福岡地所」という不動産会社社員を前面に立て、「抗議申し入れは受けられない」「ここは私有地、敷地内に入るな!」「マイクは使うな!」「ビラまきはやめろ!」などと妨害してきた。ふざけるな! 「国鉄全国運動・九州」の抗議団20名は、横断幕を広げ、一斉にビラをまき、何度もシュプレヒコールをたたきつけ、「JR九州は解雇の責任をとり、羽廣さん、石崎さんら1047名を職場に戻せ!」と訴えて闘いぬいた。
多くの人が何事かと注目する中、「国鉄全国運動・九州」の呼びかけ人代表の竹内良夫さんが最初にマイクを握り、「あの1047名の首切りから大失業と非正規、そして貧困をもたらす新自由主義攻撃が始まった。そして尼崎事故、ついには東日本大震災被害と福島原発事故にまで至った。JRには重大な責任がある。不法不当な首切りを撤回せよ」と発言した。また当該の羽廣さん、石崎さんは、「われわれは最後まで解雇の撤回を要求する。不当な首切りには屈しない」「JR九州は、25年経っても株上もできない民間ならざる民間会社。国鉄分割・民営化の破産は誰の眼にも明らか」と訴えた。
羽廣さん、石崎さんら国鉄解雇者の闘いは、まさに被災地の労働者の闘いと一体である。新自由主義と対決し、帝国主義を打倒し、労働者の自己解放をめざす闘いの中にこそ、被災地の労働者の闘い、国鉄労働運動の勝利の展望がある。4月1日の一日行動は、まさにそういう闘いとしてかちとられた。(九州・H)
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