星野再審ビデオ国賠訴訟第1回公判を闘い抜く
6月7日、東京地裁で、星野再審裁判の重要な証拠であるビデオテープ2巻を警視庁公安部が「紛失」した責任を追及する国家賠償請求訴訟の第1回公判が開かれた。この裁判の原告は星野文昭同志である。被告はビデオテープの保管を委託した東京高裁(国)とそれを「紛失」した警視庁公安部(東京都)である。現に進行中の生きた裁判の証拠を「紛失するという前代未聞の失態は、故意の証拠隠滅ないしこれに準じる重大な過失行為」(原告側意見陳述)だ。この責任を徹底的に追及し、1000万円の損害賠償を求めるのが、裁判の趣旨である。もちろん、星野同志の無実証明につながる証拠の「紛失」を、金銭に換算することは不可能である。しかし、最低でも1000万円を下回ることはないとして、請求額は産出された。
昼休み、東京地裁前は、星野さんを取り戻そう!全国再審連絡会議の仲間と、5・20弾圧で勾留中の38人の仲間の即時釈放を訴える全学連の学生や救援活動家などで制圧された。星野暁子さんが宣伝カーからアピールし、ビラまき、署名集めが行われた。弾圧の機会をうかがうデカどもをはじき飛ばし、裁判所・検察庁を満身の怒りで弾劾した。
午後2時からの法廷は、全国再審連絡会議の仲間や学生たち40人で埋めつくされた。原告席に、この裁判を主に担当する藤田城治弁護士と鈴木達夫、和久田修、岩井信の各弁護士が座った。最初に、藤田弁護士が星野同志の「陳述書」を読み上げた。星野同志の万感の思いを込めた「陳述書」に、法廷は共感の渦に満ちた。
その後、弁護団の意見が陳述された。藤田弁護士は、星野同志を無期懲役とした確定判決がいかに脆弱な証拠構造の上に立っているかを明らかにし、ビデオテープが星野同志の無実を証明する上でいかに重要なものであるかを明確にした。それを「紛失」した責任は、裁判所も警視庁公安部も決定的に大きい。傍聴席に座った人たちは、配布された資料を見ながら、一つひとつうなずいて聞いている。被告席に座った国と東京都の代理人たちは打ちのめされ、声一つあげることができない。
公判終了後、弁護士会館に移って報告会が行われた。弁護団からの説明と参加者の質問や意見が次々に出されて、活発な討論が行われた。参加した全員が、星野同志の無実を改めて確信し、一日も早い奪還を誓った。第2回公判は、8月30日に行われる。6・24東京高裁包囲デモ、6・24-25全国総会に結集し、星野文昭同志の再審無罪・即時釈放を勝ち取ろう。(KN)
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