中国・広東省で賃金未払いをきっかけに1000人の農民工が暴動
6月6日、四川省からの出稼ぎ労働者(農民工)への賃金未払い問題をきっかけにして、広東省潮州市潮安県で農民工の暴動が発生した。この暴動はさらに、四川省など外省からの農民工と経営者側が扇動して組織した潮安県籍の人々との激突にまでエスカレートし、現時点で少なくとも10人の農民工が重傷を負ったり、死亡したりしていると伝えられている。
事件は6月1日にまでさかのぼる。6月1日、四川省の農民工である熊漢江さんとその家族は、華芸陶器会社に未払い賃金の支払いを要求しにいった。社長が「午後また来い!」と言ったことに彼らは激怒し、工場に入って抗議しようとしたところ、会社側は彼らの手足の筋肉を切断したのである。
通報を受けた警察は、社長の息子など3人を逮捕したが、会社と結託している警察は、警察署に送る途中で彼らを釈放してしまったのである。
これに激怒した農民工たちは、警察署と政府の建物を1000人で包囲し連日抗議した。警察は事態の隠蔽に必死になり、「けがは軽傷だ」と包囲する農民工にペテン的に弁明したことが逆に彼らの怒りに火をつけ、ついに6月6日に暴動となったのだ。農民工は警察と政府に対して怒りをたたきつけ、警察や政府の車は焼かれ、爆破され、30台以上の乗用車を破壊した。
一方で会社側は潮安県の同郷人を集め、暴動を起こした農民工を攻撃し、農民工側に10人以上の死傷者が出ているという。
徹底的に搾取され、差別されてきている農民工の怒りは政府と資本に対する暴動という事態にまで発展している。、政府と資本は、外省人(農民工)と同郷の労働者の対立、差別的現実をも利用し、殺し合いをさせてこうした農民工の闘いを圧殺しようとしている。実に卑劣なやり方だ。だが、まさに求められているのは、こうした資本の卑劣な差別的労働者支配、内省と外省の対立を煽る分断支配を打ち破り、省を超えた労働者の階級的団結をつくり出すことであり、この団結で資本とスターリン主義政府を打倒することなのである。
このような暴動が、中国では今次々と起きている。内モンゴルでも、2人の遊牧民が虐殺された事件をきっかけにして学生や遊牧民は、「政府は解散しろ!」と叫んで先月末から連続的なデモを闘っており、内モンゴルは今なお戒厳体制におかれている。土地の強制収用に反対する農民は、命がけの「農地死守」の闘いを権力・資本に対して身をはって闘い、デモも闘っている。一方で各地方の全人代の選挙では、中国共産党の統制を離れた労働者階級を先頭にした自主的候補者が各地で立候補し、政府の逮捕や立候補権剥奪などの攻撃と対決して自主的選挙闘争を闘っている。中国は明らかに新たな大激動過程に入っているのである。
まさに求められているのは、日本の労働者が国鉄決戦を闘い、新たな反戦反核闘争を爆発させ、その運動と組織拡大の中で中国の労働者階級との連帯をかちとっていくことである。(G)
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