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ハイチで「食糧寄こせ!」の大暴動

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 この数日来、ハイチ(キューバとドミニカにはさまれた中米・カリブ海の国)で食料品の高騰に抗議する激しい暴動が全土で闘われている。民衆はバリケードをつくり、車に火をつけ、銀行やスーパーになだれ込んでいる。首都のポルトープランスでは、数千人の民衆が市の中心部にある大統領府に突入しようとしたが、ゴム弾や催涙ガス弾を撃ちまくる警察と国連部隊がかろうじて阻止した。市街戦のなかで少なくとも5人の民衆が殺されている。
 (写真は4月10日の首都ポルトープランスの様子)

 

 ハイチは中米で、いや西半球で最も貧しい国の一つだ。民衆の80%が1日2ドル(200円あまり)以下で生活している。それなのに、基礎的な食料品(米・とうもろこし・豆など)や石油など燃料がこのわずか数か月のあいだに2倍にもなった。多くの人々にとって文字どおり飢餓死が迫っている。
 この背景には、世界市場における食料品の価格急騰と不足化がある。世界市場では、この1年で穀物と乳製品の価格が2?4倍化しているが、その影響をもろに受けているのだ。穀物の不足化という点では、人口の多いインドや中国が食料品や家畜用飼料について世界市場への依存度を強めていることが大きいが、またいわゆるバイオ燃料ブームによって穀物が燃料に回されていることも大きい。
 ハイチの民衆は口々に「腹が減った!」食料を寄こせ!」と叫び、立ち上がった。まさに革命情勢である。(た)

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