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栃木県下野市で育鵬社版歴史教科書の採択を阻止!

 栃木県下野(しもつけ)市で7月21日、「教科書改善の会」が執筆した育鵬社版歴史教科書の採択をひっくり返しました。対象は中学校4校ですが大勝利です。
 下野市教科書選定委員会は7月15日、歴史教科書に育鵬社を選定、21日の教育委員会で最終決定しようとしていました。百万人署名運動・栃木県連絡会は20日、教育長と面会し「育鵬社の歴史教科書を採択しないように」と要請書を提出しました。育鵬社の歴史教科書は日本帝国主義の侵略戦争を美化しているばかりか、同社の公民教科書が原発を“安全でクリーン”とデマ宣伝していると追及し、「こんな教科書では子どもも親も納得しない。教師も真実を教えられない。社会の真実から目を背け、子どもから未来を奪い、教育労働者にとっては耐え難い」と迫ると、教育長はうなだれていました。 

 「下野市教科書選定委員会が育鵬社選定」の報は県内・全国の闘う人びと、原発事故に怒りを燃やす青年の怒りを呼び、21日の市教委は当初より広い会場に変更され、60席の傍聴席が満杯になりました。
 明らかになったことは、歴史以外の教科はほぼ複数社が候補として挙げられいたのに、歴史教科書の選定では当初3番目の候補だった育鵬社が最終「選定」で1社だけになっていたことです。主導したのは教育長です。あまりに不自然な「選定」過程に始まり、教育長が「教育基本法が改定(改悪だ!)され、愛国心教育が重視されることになったのだから育鵬社採択を」と自説を満展開すると、ほかの委員から次々と疑問や意見が出されて、採択で育鵬社教科書は否決されたのです!
 10年前の2001年、現在の下野市の一部を含む旧下都賀(しもつが)地区採択協議会は全国に先駆けて「新しい歴史教科書をつくる会」執筆の扶桑社版教科書を採択しました。「つくる会」はこれを突破口に全国での採択を狙っていました。県内はもとより全国から抗議が集中し、「つくる会」ら右翼と大攻防の末、採択協議会に採択をやり直させて全市町村でひっくり返しました。右翼はこの歴史的闘いを「下都賀事件」などと呼び、この10年間「下都賀でリベンジを」と叫んできました。原発大事故を最先端にした本格的革命情勢のただ中で、再び育鵬社、自由社の教科書採択を狙う旧「つくる会」勢力に対して歴史的敗北を強制しました。まずこの攻防に勝利しました。先立つ15日、許せないことに大田原市で多くの抗議にもかかわらず育鵬社版歴史・公民教科書の採択が強行されました。しかし、下野市での大勝利で展望は開かれました。全国での採択を絶対阻止しよう!(栃木・K) 

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