太原富士康で、中国労働者が大ストライキ
中国山西省の省都である太原市にある台湾系企業富士康(faxconn)の工場で、3月13日、労働者がストライキに立ち上がり、周辺の道路を封鎖して警察隊と激突、400人の労働者が逮捕され、多数の負傷者が出た。
富士康は、電子機器の受託生産では世界最大といわれる鴻海精密工業であり、アップルのiPhoneやiPadなどを生産していることで知られている。アウトソーシングによる生産を専門とする大企業である。アップルなどIT会社は、富士康など海外の受託生産企業に生産を外注化することで膨大な利益をあげている。ここには新自由主義の極限的な姿がある。
外注化とは徹底した合理化であり、労働者の非正規化、低賃金化、奴隷のような労働強化を意味する。実際に富士康の労働現場の状況はすさまじく、自殺者が相次ぎ、その実態は今年1月25日にニューヨークタイムズが暴露し、国際的な反響を呼んだ(『国際労働運動』4月号に抜粋訳掲載)。
この太原の工場でも、労働者の基本給は1500元(約2万円)であり、労働者は残業代で生活を維持しているのが現実である。ところが違法な長時間労働などへの国際的な批判を受けた富士康は、5月から残業を一人当たり月36時間に制限するとした。残業時間の制限は労働者の健康維持のためには当然ともいえるが、基本給があまりの低賃金のため、その結果労働者が手にする賃金は2000元(2万6千円)から3000元(3万9千円)に満たないという大幅の賃下げとなる。こうして賃上げを要求するストライキが爆発したのである。
この太原富士康のストライキは、14日に閉幕した全人代(全国人民代表大会)を直撃した。中国政府はネット規制による情報統制を敷いてストに関する情報を遮断しようとしているが、ストライキはその後も継続しているといわれている。全人代はネット規制の強化や秘密逮捕・秘密拘留の合法化を決議したが、それはこうした労働者のストライキやチベットやウイグルでの諸民族の決起を弾圧するためであり、この中国スターリン主義の大弾圧と真っ向から対決して、中国の労働者は決起を開始している。最終日に温家宝首相は記者会見で「文化大革命の再来(の危険性)」という表現を用いて、中国スターリン主義が今、中国における大激動・革命情勢の接近におびえている姿を告白した。しかもその柱に国際的な外注化問題がすわり、焦点となっていることは決定的である。
動労千葉の外注化阻止決戦は、こうした中国の階級闘争と連帯できる本質をもった闘いであり、新自由主義と対決する国際階級闘争の核心であり、労働者の国際連帯を実現する最大の闘いである。国鉄決戦、外注化阻止決戦を貫き、中国労働者との連帯をかちとっていこう!(G)
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