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パククネ政権下の資本攻勢と対決し、闘う労働者の「希望バス」が再始動

s20130109a-1.jpg 1月5日、韓国で、「希望のバス」が1年3カ月ぶりに再始動した。この日の朝、零下12度という寒さをついてソウルの大漢門前を出発したバスは、全国各地からのバスと合流し、計37台・1600人余が、現代車非正規職支会による高空籠城闘争が闘われているウルサン(蔚山)の現場に到着した。鉄道など他の交通手段を利用して集まった人を加えれば2000人を超える労働者、学生、市民が鉄塔の下に結集し、非正規職撤廃までとことん闘いぬくことを宣言する決意大会を開いた。バスは続いてプサン(釜山)に移動。午後8時にプサンの韓進重工業前に再結集し、昨年末、資本の卑劣な労組破壊攻撃への怒りに耐えかねて抗議の憤死をしたチェガンソ烈士の追悼集会を行い、「悲しみをのりこえて再び希望をつくりだそう」と強く誓い合った。 

s20130109a-3.jpg 韓国では、12・19大統領選挙でのパククネの当選を契機に、労働者階級に対する資本の新たな攻撃が激化し、これとの絶対非和解の激突がますます強まっている。大統領選挙からわずか数日の間に、韓進重工業労組のチェガンソ氏をはじめ、現代重工業、全国大学労組などで5人もの労働者が次々と命を絶った。韓進重工業では、解雇者を1年後に再雇用するという約束(キムジンスクさんの309日間のクレーン籠城闘争によって闘いとられた労使合意)を資本が守らず、復職の直後に「無期限休業」を発令するという形で解雇を事実上継続した。さらに労組に対して200年以上かかっても払い切れない158億ウォンもの巨額の損害賠償請求をするなどの攻撃を強めていた。チェガンソ氏の自殺はこれへの悲憤に駆られた結果だ。現代自動車でも、大統領選挙が終わるや否や裁判所が座り込み場撤去の仮処分命令を出すなど、労働者の闘いに追いつめられていた資本と政府がここぞとばかりに巻き返しを狙って動き出している。
 これに対し、現場で闘う労働者が先頭に立ち、「これ以上殺すな!」と非常事態を宣言して立ち上がった。今回の希望バスは、ピオプセ(非正規職のない世の中づくりネットワーク)と民主労総、金属労組などの闘う労働者が中心となり、多くの市民や学生をも結集させて実現した。「助けるということは傘を差し出すことではなく共に雨に濡れることです」――これは、ウルサンに向かうバs20130109a-2.jpgスの中で参加者が鉄塔上の籠城者を励ますために書いた手紙の一通だ。集会場では、この団結を武器として、「どんな困難があっても力強く、一歩一歩前進しよう」という思いが口々に語られ、鉄塔の上と下の心をひとつにした。プサンでは、夫の死を無駄にしたくないと語る遺族の訴えを受けて、「殺したのはパククネだ。パククネとの闘いを起こさなければならない」という声が上がった。
 希望バスに同乗した人々の思いはただ一点、「今は自分一人で生きていこうとするのではなく、皆が同じく力を集めなければならない」(キムジンスクさん)ということにある。非正規職化が日本に先駆けて進んだ韓国では今日、没落する日帝を押しのけて輸出で儲ける大財閥が途方もなく肥え太る一方で、労働者階級をとりまく状況はもはや生存の限界を超えて劣悪化している。整理解雇と非正規職問題が一大社会問題に浮上する中、大統領選挙ではパククネも含めた全候補が「経済民主化」をペテン的に口にした。パククネの当選が示したのは、パククネの「強さ」ではなく、イミョンバク政権に先立つノムヒョン政権下で新自由主義を容認し、自ら推進してきた既成の野党勢力の没落だ。この中で労働者候補として大統領選を闘ったキムソヨン候補は、「非正規職と整理解雇のない世の中」「財閥の資産没収」を真っ向から掲げ、新自由主義との絶対非和解の対決を訴えて闘い、既成指導部にとって変わる階級的労働運動の新たな指導部の登場が下から、現場から始まったことを鮮やかに示した。この力が、今回の希望バス再始動の背景にある。
s20130109a-4.jpg パククネ政権登場のもとで資本が仕掛けてくる激しい労組破壊・労働運動圧殺の攻撃が、韓国労働者階級の闘う意志をくじくどころが、ますます燃え上がらせていくのは間違いない。1月6日早朝、希望バスがソウルの出発点に戻った時、選挙が終わってから無気力になっていたという27才の初参加者の青年は、ハンギョレ新聞の記者に次のように語っている。「来て良かった。自由を味わいました。胸のつかえが下りて希望が湧いてきました。今後も一緒に痛みを感じなければなりません」と。このパククネ政権下の韓国労働者階級の闘いと、安倍政権下の日本労働者階級の闘いの課題は今や完全に一つだ。不屈に闘う韓国労働者との連帯をかけて、外注化阻止・非正規職撤廃決戦の第2ラウンドに突入しよう!(千)
 写真は上から①~③がウルサンでの集会場面、④がプサンの韓進重工業前。 

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