「言論弾圧を許すな!」南方週末の出版労働者がストライキ
中国政府による言論弾圧に抗議し、中国の週刊紙である「南方週末」の出版労働者が1月7日よりストライキに突入した。
1月3日、「南方週末」は恒例の新年の詞を掲載しようとした。そのもともとの題字は「中国の夢 憲政の夢」と題するもので、憲政への熱い思いを謳ったものであった。編集は2日には完成し、印刷に送られる過程で、この原稿が広東省共産党委員会宣伝部部長であるトゥオチェンの命令によって全面的に書き換えられ、題字も「私たちはかつてなく夢に近づいた」とする中華の民族的な復興と強大化を謳う中身になり、掲載された。
「憲政の夢はつぶされ、中国の夢は空虚と化した」。事態が発覚した2日の夜から、記者をはじめとする出版労働者たちが弾劾行動を開始した。中国版ツィッター(ウェイポ)などネットに抗議を書き込み、もともとの文章と書きなおされる過程の文章なども掲載した。それが次々と削除される事態となった。
3日と5日に労働者たちは公開レターを発表し、「第一線の編集記者たちが休暇を取っているときに知らされない形で事態が進行したこと」や「不完全な統計だが、2012年に『南方週末』編集部で書き直されたり削除された記事は1034編に上る」という事実を明らかにした。言論審査に抗議し、トゥオチェンの辞職を訴える署名運動はまたたくまに広がり、7日までに5000人を超えたという。
6日、「南方週末」のウェイポに「(今回の題字と文章は)編集部と本紙のある責任者の責任であり、ネットで流れている(共産党の関与という)ことは事実ではない」という発表が行われた。しかしこれも、会社がウェイポにアクセスするためのパスワードを強制的に記者たちから聞き出し、編集幹部がかってに書き込んだことも判明。ますます怒りに火を注ぐ事態となった。
7日午前10時に、広東省広州市にある「南方週末」の会社前での集会が訴えられ、各地から若者を先頭に数百人の人々が結集した。同時刻、記者たち出版労働者はストライキに突入した。
青年を先頭とする集まった人々は、「言論・報道の自由」「トゥオチェンの辞職」「憲政」などを要求し、徹底的に抗議の声をあげている。警察権力が彼らを取り巻き、カメラで撮影するなど威嚇をかけている。あるいは連行された者もいると伝えられている。しかし結集した人たちは、こうした警察の威嚇撮影にも一歩もひるまず、真っ向から抗議行動を続けている。こうした決起によって、天安門事件以来の中国スターリン主義による暴力的支配体制が、本質的に打ち破られつつある。また、この事件に関するウェイポなどの抗議の書き込みは、すさまじいスピードで次々と削除されているが、しかし書き込みも次々と行われているために、削除が追い付かず、ネット規制が崩壊している状態に入っている。
発足したばかりの習近平体制は、インターネットの全面実名化など、空前の労働者人民弾圧体制をつくろうとしているが、この労働者の決起と支援の闘いは、この弾圧体制を真っ向から迎え撃ち、習近平体制の崩壊への道を開く闘いになろうとしている。中国スターリン主義と対決し、民主や言論の自由を求める労働者人民の闘いを支援し、連帯していこう! 2013年、「外注化阻止」「非正規職撤廃」を徹底的に闘い、中国の労働者との団結をつくりだしていこう!(K)
写真は上から、①「しゃべらないマスク」をして抗議する女性、②思い思いの文句を書いて「「南方週末」前で抗議をつづける人々、③「私は昨日はネットにいた。今日は現場にいる」とスローガンを掲げて駆けつけた若者
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