現代車非正規職工場占拠スト「結論は正規職化しかない!」
韓国の現代自動車蔚山(ウルサン)工場で11月15日に始まった現代自動車非正規支会の第1工場占拠ストライキが、戦線を拡大しながら闘いぬかれている。17、18日には全州(チョンジュ)工場、牙山(アサン)工場でも会社側の暴力的な襲撃との激突、工場占拠ストライキが続いた。
11月14日で廃業した社内下請け企業のドンソン企業で働いてきた組合員が実力就労闘争に決起し、15日早朝に第1工場に突入した。当初、進入に成功した20人から始まった工場占拠は、会社側用役ガードマンの工場閉鎖網を突き破って組合員が続々結集する中、16日には1200人となった。
同日午後、現代車非正規職支会は集まった組合員のうち第2、第3工場で働いていた約500人を現場に戻した。イサンス支会長は「現場で正規職、非正規職と分かれず、ストライキを宣伝し、第2、第3工場でのストライキを組織しようという現場実践闘争方針だ」と語った。その結果、第2工場では18日午前9時から波状的ストライキに突入、21ラインと22ラインが中断した。会社側は代替要員を送り込んだが、稼働と停止が繰り返されている。また18日午前8時ころ、第3工場では休憩室に待機していた用役ガードマンに対し、現代車支部のホサンガン代議員が「用役を追い出さなければラインを動かせない」と抗議し、正規職組合員の連帯闘争でラインはストップ。現代資本は17日未明に第1工場の暖房施設を切るなど座り込みに打撃を与えようとしているが、正規職代議員や組合員が食料補給やスト死守で座り込むなど献身的な連帯行動が広がっている。これらの闘争報告が第1工場の占拠部隊を鼓舞している。
18日には、工場占拠闘争をしている組合員の妻たち20人が自発的に集まり、現代車家族対策委員会が結成された。同日午後7時、スト突入から連夜開かれ4回目となったキャンドル文化祭には全国から支援400人が駆けつけた。家族対策委員会も自ら作った色とりどりのプラカードを持って参加。代表を引き受けた第2工場組合員の妻のチェウンミさんが2人の子どもとともに「家族も闘う」とあいさつし、大きな激励に包まれた。
イサンス支会長は、現代資本とイミョンバク政権に対し「人をもてあそぶなということだ。私たちをもてあそべばその代価は必ず返させる。非正規職労働者が大規模にストライキを闘えば、恐れよりも希望を語ることができる。政府や会社も非正規職への認識を変えなければならない。その時が来た」と宣言した。
イサンス支会長は「大法院判決(現代車の不法派遣を認め、2年以上継続して勤務している非正規職は正規職と見なされる)があった7月22日から途方もない弾圧を駆け抜けてきた」と振り返った。非正規支会は7・22判決後、直ちに休み時間を利用した工場巡回闘争を開始し、集団労組加入に打って出た。「労組に加入するとすぐに弾圧が始まった。組合員たちはさまざまな脅迫と懐柔など非人間的な工作に耐えた。毎週水曜日に500~700人で本館抗議集会をした。集団訴訟の組織化、昼食宣伝戦、朝の出勤闘争などできることはすべてやった」「10・30非正規職労働者大会が組合組織力の最初の試金石だった。現代資本は不法だと言って脅迫もしてきたが、AB組(昼夜組)合わせて千人以上が参加した。この日、闘えると確信した」。そしてスト権を確立した11月には、蔚山工場は1690人、牙山工場305人、全州工場354人、3支会合わせた組合員数は2349人に上った。
工場占拠中の組合員たちが口々に語っている。「工場占拠はドンソン事態で偶発的に始まったかのように見えるかもしれませんが、私たちはすでに胸の中にストライキの種を育てていました」「工場を止めなければ大法院判決だけでは不法派遣問題は解決できない」「今、私たちはこの状況を変えられる。いつまでも非正規職として暮らすのか。非正規職は資本がつくった言葉だ。子どもたちには譲れない」「どうせ始まった闘いだ。退く所もないのだから、楽しい闘いにしよう」「目標ですか。正規職です!」
現代自動車を揺り動かす非正規労組の闘いに連帯を!(M)
写真は上から①工場占拠ストに突入した蔚山第1工場(16日)、②イサンス支会長、③蔚山第2、第3工場も座り込みに突入(17日)、④17日夜、第1工場座り込み現場での闘争報告大会、⑤家族対策委の結成(18日)、⑥蔚山工場前でのキャンドル文化祭
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