香港 103万人が元日から実力デモ
「今年こそ、五大要求を実現しよう!」「香港を取り戻せ!」
大みそかから香港の労働者学生は街頭に繰り出し、街頭で人間の鎖などを行った。そして0時、2020年になった瞬間、勝利の2020年を迎えたと、歓呼の声があがった。そしてデモを続けた。このデモ隊に対して機動隊は催涙弾を打ち込んだ。香港の2020年は、闘争で始まった。
午後2時より維園(ビクトリアパーク)で、元旦の「誓いを忘れず、ともに進む」集会が始まり、103万を超える労働者民衆が集まった。2時43分にデモ出発、元旦の香港は、香港行政長官・林鄭月娥を弾劾し、普通選挙実現や不当逮捕者の釈放などの「五大要求」の声で満ち溢れた。これに驚愕(きょうがく)した香港政府は、5時過ぎにデモ隊に催涙弾を打ち込み、デモ隊と警察隊の激突が始まった。警察は許可していた集会とデモの中止を命令、
103万人を30分で解散するように要求した。
この警察の違法なデモ中止命令に対して、多くの民衆が路面電車の線路に人間の鎖を作り、前線で機動隊と激突する部隊に対して傘などの物資を手渡しで届けた。バリケードもつくられた。深夜まで激しいデモが闘われ、集会会場付近の銅鑼(どら)湾で287人が逮捕されたのをはじめ、全体で420人が逮捕された。この弾圧と真っ向から対決して、元旦デモは不屈に闘い抜かれたのだ。
昨年の理工大での激突や区議選の勝利の中で、「全香港ストライキ」の実現へ、新たな労働組合の結成が呼びかけられ、43の新労働組合が結成された。そしてこの元旦デモで42の新組合がデモの沿道で労働組合への加入を訴える街頭宣伝を行った。11月2日の国際連帯集会でメッセージを寄せた香港職工会連盟事務局長の李卓人氏も街頭でマイクを持ち「今、労働組合建設の新たな高揚が来た。労働組合をつくろう! 労働組合が結びつけば最大の力だ! 政治ストライキは重要だ。政治闘争と経済闘争を結合させよう!」と訴えた。
この過程で作られた労働組合は、貿易販売・買付業総労働組合、医院管理局労働組合、音楽人労働組合、舞台芸術労働組合、居酒屋労働組合、動物業労働組合など多岐にわたるが、「香港鉄道新動力」という新たな鉄道労働組合も結成されている。香港鉄道職員の300人が加盟し、6割は勤続5年以下で35歳以下という青年の組合だ。彼らは「デモ隊が鉄道を施設を破壊するのは、危険ではあるが理解できる。香港の積年の社会問題、そして列車故障や信号系統事故などへの民衆の怒りだ。この状況を変え、仕事の尊厳を取り戻したい」「(デモを妨害するために)駅を封鎖したり、ある駅には停まらないで列車を走らせることで香港鉄道は『中国共産党の鉄道』『政権奉仕の鉄道』と言われている。これを撤回したい」と語っている。
このように今、闘いの中で青年を中心にして次々と新たな労働組合が結成されている。今まで政治に無関心だった若者がデモに参加し、この闘いに勝つためにも労働組合をつくり活動に参加しようとしている。
こうした青年の力、労働組合の力が、今回の元旦デモを勝利させたのだ。
元旦に先立つクリスマスとイブにおいても、香港各地で「あなたと一緒にクリスマスショップ」などの行動が行われ、中国資本の横暴に抗議し、中国資本系商店の従業員に組合結成やストライキを訴え、機動隊と激突して闘い抜いている。
香港は激しい闘いの中で新年を迎えた。香港の労働者学生と連帯し、ともに勝利しよう!
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