韓国・星州 5千人がサード反対叫ぶ 「闘えば勝てる」確信も固く
●サード一部配備強行に怒り爆発
3月10日のパククネ罷免後も、韓国労働者民衆の闘いは1日も途切れることなく続けられている。パククネと財閥のトップ全員を刑事訴追し、監獄にぶち込んで責任をとらせようという声はますます高まり、これと並んで、パククネ政権が進めてきたあらゆる政策の即時廃棄を求める闘いが力強く展開されている。
その最大の焦点の一つが、THAAD(高高度迎撃ミサイルシステム=サード)配備に反対する闘いだ。
今月6日には、世界最大規模の戦争訓練である米韓合同軍事演習のさなかに発射台2基の搬入が強行された。パククネが労働者民衆にノーを突きつけられて打倒されたにもかかわらず戦争政策が強行されていく現実を前に、住民たちは怒りと決意を新たにしている。
民主労総は13日に声明を発表し「パククネが犯した外交安全保障上の最大の害悪は間違いなくサード配備だ。パククネは弾劾されたが、共犯者は憲法にすら違反しサード配備を強行している。違法なサード配備を狙ったすべての行為を今すぐ中断しろ」と訴えた。
週末の18日には、慶尚北道ソンジュ(星州)現地で7カ月ぶりの大集会が開催された。
この間ソウルの光化門広場でキャンドル行動を主催してきたパククネ政権退陣非常国民行動も「キャンドルよ、ソンジュへ行こう」と先頭で呼びかけ、また全国各地から「サード配備強行阻止のための緊急全国集中平和バス」が企画された。この日、全国から駆けつけた5千人もの人びとで埋め尽くされたソンジュには「サードは去れ、平和よ来い」の声が響き渡った。
ソンジュ闘争委員会の代表は、「ソンジュのキャンドルが火種となって全国に火をつけた」と、自分たちの闘いがパククネ打倒のうねりをつくり出したことへの確信と勝利感あふれる訴えを行った。デモ隊は、サード配備予定地であり、今は米軍の敷地となったロッテのゴルフ場正門前へと迫った。
●米韓合同演習と真っ向から対決
この闘いは、米韓合同軍事演習、そして17日の米国務長官訪韓と真っ向から対決して闘いぬかれた。北朝鮮のミサイルからの「防衛」を口実として先制攻撃を狙う米韓政府を痛撃するものだ。
サードの配備は、昨年の夏に突如として決定された。韓国は、2015年11月の民衆総決起を引き継ぎ、民主労総のゼネストがあらゆる人びとの怒りを解き放っていくうねりの中にあった。それを圧殺しようとするパククネが最後に頼ったのが「北朝鮮の脅威」をあおる戦争政策だった。韓国の闘いが東アジアにおける革命を切り開くことへの恐怖が、パククネと米帝にサードの配備を決断させた。11月23日に強行された日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結も、攻撃の一環だ。
これに対して、自分たちの闘いが戦争阻止に直結する大きな意味をもつことを確信して闘い続けるソンジュの人びとの決意は、「朝鮮半島のどこにもサードはいらない!」というスローガンに凝縮されている。
●弾劾は始まりだ日本でも続こう
民主労総は今年の旗開きで「パククネ政権退陣と追従者たちの清算、そしてヘル(地獄)朝鮮を変える社会革命を進めていく」と宣言した。「弾劾は始まりだ」を合言葉に、全国で新たな闘いが開始されている。
民主労総は16日に大統領選挙に向けた記者会見を開催し「キャンドルに便乗した大統領選挙の候補者が乱立しているが、積弊(権力者により続けられてきた悪政の結果)の政策は強行され、改革立法は留保されている」ことを弾劾し、政権交代に期待するのではなく労働者民衆自身の手で積弊清算と社会大改革をなしとげようと訴えた。
続いて、「財閥独占のヘル朝鮮はパククネ政権の4年間でつくられたものではなく、権力が財閥の腹を肥やし、財閥が権力となったのが70年の歴史だった」と強調した。民主労総は今、解放以来70年にわたり労働者を支配してきた構造全体を覆す闘いに突入している。
韓国の労働者のように闘えば社会を変えることはできる! 民主労総のようにゼネストを闘う労働運動を、日本の地でも必ずつくり上げよう。
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