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インドのスズキ子会社工場で暴動、1人死亡、90人以上が負傷

s20120719c-1.jpg 7月18日夜、インド北部ハリヤナ州(首都ニューデリー近郊)の、日本のスズキ資本の子会社でインドの自動車最大手でもあるマルチスズキ・マネサール工場(写真)で暴動が起こった。インド人の人事担当者1人が死亡、少なくとも2人の日本人幹部を含む40人のマネージャーや幹部などが負傷して病院に送られた。マルチスズキでは従業員1名の停職処分をめぐって組合側と交渉中だった。交渉中の抗議行動で、死亡した人事担当のインド人職制が、カースト制度の差別的言辞を従業員に浴びせたことから怒りが爆発、それに対し警備員が労働者に暴力的に襲いかかったことから、約3000人の工場労働者も決起、暴動に発展した。 

s20120719c-2.jpg 警官約4000人が動員され、約90人が拘束された。工場も放火され、消防車25台が出動して鎮火に当たった。同工場は19日も操業は停止となった。
 マネサール工場は、スズキのインド最大の工場で、年間約55万台を生産し、インドでのスズキの生産の3分の1を占める。昨年6月、闘わない既成組合から分離独立した新労働組合結成を資本が認めず、その認証をめぐってストライキが2週間うちぬかれた(写真)。その後就業規則、低賃金改善、長時間労働の禁止などをめぐって会社側と交渉中、資本は8月に交渉を打ち切って逆にロックアウトの工場閉鎖で対抗した。この過程で5億ドル以上の損害を出したが、スズキ資本は労働組合に対して常に高圧的・差別的な組合つぶしの立場を繰り返し、労働者への奴隷労働の維持を図り、組合との交渉には否定的対応に終始した。
 10月には従業員への「善行契約書」なる就業規則順守の屈服的な署名を強要し、奴隷労働を続行させてきた。今回は停職を受けた従業員の復職をめぐって交渉が行われていた。こうした経過の中で工場監督者の差別的高圧的対応に怒りが爆発、それに対しての警備員による労組員への殴る蹴るの暴行に、日頃の締め付け的な就業規則の抑圧に耐えてきた工場労働者がともに怒って決起した。
 マルチスズキはインドの自動車生産のシェア4割以上を占める最大手で、一社だけで年間100万台を超える販売をしている(2010年)。それは労働者の低賃金と長時間労働、就業規則の奴隷的な強要で成り立ってきたのだ。労働者は奴隷ではない。スズキ資本への反撃が始まった。(N) 

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