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英教職員組合が軍の校内募兵反対の決議

 イギリス最大の教職員組合である全国教職員組合(NUT)が3月25日にマンチェスターで総会を開き、誤導宣伝行うイギリス軍の校内募兵活動に反対する決議を上げた。若者たちは市場向けの映像ではなく軍隊生活の本当の映像を見せられるべきだという声がNUTの総会で出た。NUTは、軍の校内募兵活動は「誤導宣伝(ミスリーディング・プロパガンダ)」だとして、これに反対する決議を上げた。


 教員たちは軍が巧妙な方法で募兵活動をやっていることを非難した。
 ロンドン東部の教員、ポール・マクガール氏は、「募兵活動の資料が戦争の本当の姿を示すものであるときのみ、自分の学校での募兵活動を歓迎するだろう」と述べ、軍の資料映像は次のように言うべきだろうと提起した。
 「軍隊に入ろう。わが軍はよその国を帝国主義的に占領するために君を派兵するだろう」
 「軍隊に入ろう。わが軍は貧弱な装備で君を派兵するだろう。占領された国の人びとが君を撃ち殺そうと狙っている場所に。君はよその国を占領しているのだから、その国の人びとから命を狙われるだろう」
 「軍隊に入ろう。もし君が生き残って帰国したならば、そのとき君は負傷しているか精神的ダメージを受けているだろう。君と君の家族は不当な扱いを受けるだろう」
 ロンドン南部ランベスの代議員、クリス・ケリー氏は、無料の教材を提供されたが、それが国防省からの物であるとは後になってからでないと分からないようになっていた、と暴露した。
 ロンドン西部イーリングのスティーブン・シムス氏は「募兵されて戦争に行った学生たちは、戦争の恐ろしさを知って帰ってくる。おそらく戦争の恐怖に実際に関与したのだろう」と語った。
 デズ・ブラウン英国防相は、NUTの見解を否定し学校での募兵活動は実際には行われていないとする一方、校長による招請があったときは軍への認識を高めるために学校を訪問することがあると認めている。
 イギリス軍はアメリカ軍と同様の校内募兵活動を行っている。貧困層の多い学校、地域を狙い、軍隊があたかも格好いい活動をして快適な生活を送っている素晴らしい職場であるかのごとき巧みな映像を生徒たちに見せて軍に勧誘しているのだ。この募兵活動を招請し許可しているのは校長だ。
 一昨年来、16歳の生徒たちに誤った認識を抱かせ、誤った判断に導く軍の募兵プロパガンダに対して、教育労働者の中から批判が起こった。NUTのスティーブ・シノット書記長(4月5日に亡くなった。4月24日に実施する全国教員ストライキが批准された翌日)も批判に立ち上がった。そして、ついにこの3月下旬のNUT協議会での軍の校内募兵活動反対の決議に至った。
  

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