民主労総労働者大会に10万人 労働改悪阻止へゼネスト宣言 動労千葉訪韓団120人も共に闘う
11月9日、韓国・ソウルで「チョンテイル烈士精神継承全国労働者大会」が開かれた。軍事独裁政権下の1970年11月、青年労働者チョンテイルが労働者の劣悪な状態に抗議して自己の体に火を放った。民主労総は、労働者階級の解放に命をかけた彼の精神を引き継ぐことを誓って、毎年この時期に全国労働者大会を開いてきた。49年目の今年、「私がチョンテイルだ」「私たちがチョンテイルだ!」の叫びが会場にこだました。
2017年のろうそく革命から2年間で民主労総は100万人を超える組織となった。それは同時にムンジェイン政権下で苦しむ非正規職の青年労働者や女性労働者が放置され、拡大しているということだ。さらにムンジェインは今、国会で労働法の大改悪を狙っている。労働者大会は、その国会近くのヨイド公園前を走る大きな幹線道路をせき止めて開催された。10万人の労働者が集まった。
日本から大挙して参加した動労千葉訪韓団120人は、民主労総ソウル地域本部と共にその隊列の一翼を形成して闘った。
香港の労働者が連帯のあいさつ
大会あいさつに立ったキムミョンファン民主労総委員長は開口一番、「ムンジェイン政府の暴走する労働改悪を粉砕しよう」と呼びかけ、「民主労総は、政府と資本が弾力勤労制改悪と労組法改悪を通じて私たち100万組合員と2千万労働者の労働基本権を踏みにじろうとするなら、即刻かつ全面的なゼネストで反撃する」と宣言した。
世界各国から参加した労働者を代表して、香港労総建設労組のラムシュメイさんが「香港光復」と書かれたヘルメットをかぶって登壇。「韓国が労働運動で社会を変えた経験は香港の労働者に大きなインスピレーションを与えている」と、この間の闘いの渦中で労働組合建設の新たなうねりが起きていることを報告し、「労働者の権利と民主主義をかちとるために一緒に闘おう」とアピールした。台湾からは昨年の11月に来日し共に闘った桃園市産業総工会が、台北産業総工会と共に登壇した。
ムンジェインと全面対決を訴え
ムンジェイン政権と最も激しく対決して闘っている現場から、全国鉄道労組、民主一般連盟、全国教職員労組が発言した。
全国鉄道労組のチョンチャンフン事務局長は、政府が鉄道の安全確保の要求を無視し続けるならば、11月20日を期して無期限全面ストに突入すると宣言。全教組の代表は「ムンジェイン政権になっても全教組はまだパククネ政権時代を生きている」とムンジェインの裏切りを強く弾劾し、法外労組撤回・解雇者原職復帰を実力で闘いとる決意を述べた。
民主一般連盟からはトルゲート(高速道路料金所)闘争を闘いぬいている組合員が登壇し、前日の8日にムンジェインとの面会を求めた仲間13人が警察に連行されたことを報告。「最高裁の労働者勝利判決が出ても法を守らないこの国が、49年前のチョンテイル烈士の時代とどこが違うのか」と怒りをたたきつけた。
大会には農民、貧民など労働者と共に社会変革をめざして闘ってきた多くの民衆団体も参加した。全国農民会総連盟のパクヘンドク議長は、「民衆の生きる権利を抹殺する資本に対し、労働者・農民・貧民がすべての民衆と力を合わせて生存権を守りぬく闘いに再び出よう」と訴えた。
大会終了後、国会に向かって進撃。動労千葉訪韓団120人も、民主労総ソウル本部と共に国会前に進んだ。国会は警察の装甲車の車列で阻止線が張られている。一歩先に到着していた動労千葉訪韓団の前に、サウンドトラックを先頭に金属労組の大部隊が阻止線まで進撃し、右からは公務員労組がやってくる。阻止線の前はたちまち、ムンジェイン政権の労働改悪を許さないと怒る労働者の解放区となった。民主労総は警察権力の壁に迫り、対峙しながら弾劾を浴びせ続けた。
日本の労働者も立ち上がる時だ
午後6時半過ぎに闘いは集約された。訪韓団を前に動労千葉の関道利委員長が「今日の経験を生かし、日本の労働者の闘いに火をつけるような闘いをやろう」と呼びかけた。続けて田中康宏顧問が「安倍政権は危機になればなるほど排外主義、愛国主義で韓国敵視政策に出るだろうが、二度と戦争をさせないために、国境を越えて労働者は一つだという実践をしよう」「今日は国会前でムンジェイン政府の労働大改悪と闘ったが、考えてみれば、安倍政権は8時間労働制以前まで労働法を解体しようとしている。これと闘わずして民主労総との連帯はない。この間の積み重ねの上に本気になって、日本における新しい闘いを始めよう」と訴えた。
韓国では、ムンジェイン政権と旧パククネ勢力を中心とする野党との権力争いが激化しているが、両者は労働者階級の要求と闘いの圧殺のためには完全に一体となって攻撃をしかけている。11・9はこの政府・国会と全面対決する闘いの出発点となった。11月30日にはソウル光化門広場で、ろうそく革命の完遂に向けた全民衆総決起大会を開くことが呼びかけられている。共に連帯して闘おう。
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