コルテック・ハイテック労働者、送電塔での高所ろう城に突入
今年11・2労働者集会に参加が予定されている金属労組ソウル支部ハイテックRCDコリア支会のキムヘジン支会長(39)が、金属労組テジョン忠清北道分会コルテック支会のイイングン支会長(42)とともに高圧送電塔に登り、高所ろう城に突入した(写真。左がキムヘジン支会長)。
彼らは10月15日午前3時50分ころ、ソウル・ヤンファ大橋の北端にある高さ40メートルの高圧送電塔にのぼり、ろう城を開始。この送電塔には15万4千ボルトの電圧線が架かっている。鉄塔から「整理解雇粉砕、民主労総死守、生存権獲得」「10年連続黒字企業が海外に資本流出、死にゆく国内労働者」などと書かれた垂れ幕を下ろし、送電塔の下ではコルテック支会とハイテック支会の組合60人が座り込んだ。要求が貫徹されるまでろう城を行う計画だ。
ハイテック支会のチョンウンジュ副支会長は、「ハイテック資本は全組合員を精神疾患の労災患者にし、不当解雇判定を受けたにもかかわらず5年間も職場復帰を拒否している」と会社を糾弾した。チョン副支会長は「われわれは力が有り余っているから闘っているのではない。最後の力まで振り絞って、何としても現場に戻って働きたいという思いで、死を覚悟して闘いを始めたのだ」と語った。コルテック支会のチャンソクチョン事務長は、送電塔の下で記者会見を行い、「労働者が死を覚悟し、10万ボルトを超す電流が流れる鉄塔に登らなければならない現実が悔しい」と目頭を赤くした。ろう城中のイイングン支会長は、「風が強くて大変だが、問題が解決するまでは降りない。どんなに辛くても共に頑張ろう」と組合員に伝えた。
コルテックは2007年に生産職160人のうち56人に対して整理解雇を行った後、不当解雇判定を受けるや、労組をつぶすために偽装閉業の手続きをとった。ハイテックRCDコリアは2005年、本社をソウルの九老から忠清北道のオチャンに移し、法人を分離し、組合員13名に対し整理解雇を通報している。ハイテック支会の闘いは、02年に始まり7年目。今年4月に労災承認を受けた。「労粗弾圧に伴うストレスのせいで精神疾患を発病した」として療養承認申請を出して3年目だった。今年1月には最高裁が不当解雇判決を出し、復職論議が始まった。だが会社は新設法人への転籍を命令し、組合員が「転籍は労組つぶしだ」としてこれを拒否するや、8月に整理解雇を通報した。これに対し労働界では「新手の労働弾圧手法だ」と弾劾の声が上がっている。
キムヘジン支会長とチョンウンジュ副支会長は、06年に民主労総ソウル本部の代表団として11月労働者集会に来日、三里塚現地も訪問した。以後、動労千葉との交流を続けており、田中委員長が語った「敵よりも1日長く闘えば勝てる」との言葉に共感し、解雇撤回・原職復帰へ不屈に闘いぬいている。
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