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中国・海南省で火力発電所の建設に反対し、6000人の暴動続く

s20121022b-1.jpg 海南省三亜市楽東黎族自治県鶯歌海鎮で、火力発電所の建設に反対する暴動が、10月13日より連日続いている(写真は事件を報道する香港紙『明報』10月21日号)
 楽東県政府と中国国家電力グループは、今年3月に鶯歌海鎮に火力発電所を建設することを決定したが、人口1万8000人の鎮で、環境破壊に抗議する1万人の抗議行動が爆発し、鎮全体がストライキのような状況となった。そこで鎮政府はこの計画を撤回し、他の場所へと建設計画を変更した。しかし新たな2カ所の候補地でも反対運動が爆発して破産。再び建設計画が鶯歌海鎮に戻ってきたのである。 

 10月13日より住民は鶯歌海鎮政府と漁政局の門の前に集まって入り口を封鎖し、抗議行動を展開した。その数は6000人とも1万人ともいわれている。16日になって警察が導入され、住民と警察が対峙する状況となった。18日の夜になって事態はエスカレートした。この晩、10数台の車両、数千人の武装警官が鎮に入り、鎮政府と漁政局を厳戒態勢に置き、住民と全面的に激突した。一人の女性が負傷し、2人が逮捕されたという。催涙弾が打ち込まれ、「一人の男が、4人の武装警官によって手足をつかまれて階段からたたき落され、逮捕されていった。残忍で、強盗のようだ!」と一人の住民は証言している。
s20121022b-2.jpg 衝突は18日から19日まで続き、多くの負傷者が出たが、20日になって警察は道路に散らばった催涙弾の回収を行い、弾圧の証拠を隠滅した。
 しかし事態はこれで終わらなかった、21日の夜、今度は三亜市政府が数百人の住民に包囲され抗議される事態となった(写真)。武装警官が動員されて、三亜市政府に通じるすべての道路が封鎖され、都市が隔離される中で、住民と警察との間で激しい激突が現在続いているといわれている。すでに数十人が逮捕されたともいわれているが、現在、この事件に関して中国国内では報道規制、ネット規制が敷かれており、正確な負傷者数や逮捕者数は不明である。
 火力発電所によるすさまじい環境汚染と劣悪極まる炭鉱労働者の状況は、一貫して中国で大きな問題となってきた。鶯歌海鎮住民は、「火力発電所建設反対! 環境を守れ!」などのスローガンを掲げて闘っている。中国政府は自らが引き起こしたこの現状を逆手にとって、原子力発電所の建設を大々的に推進し、世界最大の原発大国になろうとしているが、日本の福島原発事故はこうした中国政府による原発の「安全性」「クリーン性」の宣伝に対する疑問も激しく呼び起こしつつある。
 鶯歌海鎮をはじめ中国各地で起きている火力発電所(と原子力発電所)に対する中国の労働者・農民・漁民の闘いは、労働者・農民・漁民の「生きるための」生存権をかけた闘いそのものであり、福島の闘いに通じる政府と電力資本に対する真っ向からの闘いとなっている。労働者は非正規職化や外注化によって職場で「生きられなくなる」とともに、電力資本をはじめとする資本と政府による環境破壊によっても殺されようとしているのである。「非正規職撤廃・原発再稼動阻止」の旗を高々と掲げ、このスローガンのもとで中国の労働者との団結をつくりだしていこう! 11・4集会の高揚をかちとろう!(G)
 

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