韓国KEC労働者が日本遠征闘争で75人の整理解雇撤回かちとる!
5月30日夜、韓国から大ニュースが飛び込んだ。韓国・民主労総金属労組KEC支会が75人の整理解雇撤回をかちとったのだ! KEC支会は5月21日から25日にかけて日本遠征闘争を取り組んだ。この闘いは、民主労総ソウル本部の仲介で動労千葉が受け入れ、全面的に支援した闘いだ。動労千葉を先頭に全国労組交流センターの金属労働者、合同・一般労組全国協の東京なんぶユニオン、東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会、さらに郵政非正規ユニオンや東京北部の精研労組などが連日、支援・連帯闘争を闘った。日韓労働者の共同闘争が資本を追い詰めたのだ。(詳報は『前進』2538号に掲載)
全国金属労組亀尾(クミ)支部KEC支会は、韓国の慶尚北道亀尾市にある半導体製造メーカーKECで整理解雇撤回を闘う労働組合だ。KEC資本は2009年から赤字経営だとして賃金カットを行い、整理解雇攻撃に出てきた。これに対し労組は10年6月からストライキに突入、工場占拠など実に333日のストライキを闘った。資本は御用労組をつくり執拗な労組解体攻撃を加えたが、それでも労組をつぶせないと見るや、今年1月、全労働者の20%に当たる166人に整理解雇を通知し、2月に75人を解雇した。今回の日本遠征闘争は、在日韓国人2世であるKECグループ会長らが非上場の海外企業を通じて資金を横流ししている証拠をつかんだKEC支会が、東京・五反田にある日本子会社=TSジャパンを抗議訪問するとともに、取引企業各社にKECの労組弾圧の実態を伝え、KECに圧力をかけるために闘われた。日本遠征闘争を終えて帰国後、会社側との交渉が劇的に動き出し、30日についに75人全員の解雇撤回をかちとったのである。ヤンデグン支会長はこの勝利を確認した上で、「亀尾工場をつぶそうとする者どもの陰謀を徹底して明らかにし、労働者の権利を守りきるまで闘う」と宣言した。
東京での5日間の連続闘争は、「TS-Japanに横流しした金はKECの労働者の血と汗だ」と日本語で書かれたピンクのゼッケンを付けた3人のKEC被解雇者を先頭に闘いぬかれた。「5・21裁判員制度廃止!全国集会」参加を皮切りに、22日からKEC子会社への抗議訪問、さらにKECの取引先であるソニー、デンソー、東芝、三菱電機などを回り、KECによる整理解雇と労組弾圧の実態を具体的に明らかにするとともに、日韓労働者の団結した闘いを見せつけた。
24日には東京北部地域の拠点組合である精研労組がある東京武蔵野病院を動労千葉の長田敏之書記長とともに訪問し、12春闘勝利・非正規職化阻止のストライキ闘争中の精研労組と感動的な合流を果たした。25日朝には、板橋区浮間舟渡で鈴木コンクリート工業分会の社前闘争に決起した。吉本伸幸書記長が資本を弾劾し、労働者に団結を訴えたのに続き、マイクを握ったKEC支会のオムジョンフン教宣部長が「労働者はみんな労働組合に入って闘おう!」と呼びかけた。熱を込めたアピールは30分を超えた。
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写真は上から①「KECの疑わしい内部取引を告発する!」と書いた横断幕を広げ記者会見を行う民主労総金属労組KEC支会(5月7日 韓国・大邱雇用労働庁前)、②KEC日本子会社TSジャパン抗議訪問。動労千葉青年部、なんぶユニオンなど30人が結集(22日)、③スト中の精研労組を激励訪問したKEC支会と動労千葉の長田書記長(24日)、④鈴木コンクリート工業分会の社前闘争に参加。吉本書記長がアピール(25日)
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