1. HOME
  2. ブログ
  3. 中国・四川省達州市で清掃労働者の大ストライキ

中国・四川省達州市で清掃労働者の大ストライキ

s20120602a-1.jpg 5月30日、四川省達州市で1000人以上の清掃労働者が市に賃上げなどを要求してストライキに立った。早朝から始まったストライキによって、町中はゴミだらけとなった。警察が大部隊で動員され弾圧体制をとるなか、清掃労働者は不屈に市政府前に集まり、抗議行動を展開し、追いつめられた市政府は午後になって労働者の要求に対して善処を約束し、勝利のうちにストライキはいったん終結した。
 清掃労働者は、「道路の天使」とか「街の美容師」とか美名を持って中国で呼ばれているが、その連日の過酷な労働にも関わらず賃金は最低である。この達州の清掃労働者の賃金は1000元(1万3000円)に満たないという。 

s20120602a-2.jpg しかも福利厚生も最低レベルの待遇である。一方で社会的に差別視されて暴行を受けて殺される事件も頻発し、さらにゴミに付属する有害物質による健康被害も問題になっている。彼らは訴えている。
 「毎日風に吹かれ、太陽にさらされ、雪に打たれ、雨に濡れ、もっとも苦しい仕事をしていながら、手にするのは最低の賃金であり、いたるところで侮蔑の目で見られている。だが、恨み言も言わなかった。現在物価は上がる一方、毎月1000元に満たない賃金では生活は非常に苦しい。(政府に)何度も訴えたけど聞いてもらえず、やむを得ずストライキに立った」
 清掃労働者の多くは非正規労働者である臨時工である。この達州市の場合、労働者の総数1308人で、正規工はたったの310人。この職場である達州市環境衛生管理処が招聘した臨時工が715人、市行政が招聘した臨時工が283人となっており、大多数が非正規職である。
 清掃事業は、国有企業改革でリストラされた労働者の再就職の場と位置づけられていたり、また多くの都市で清掃事業は行政の下ですでに民営化(業務委託)されており、これがまた労働者の待遇をますます悪化させている。こうした過酷な低賃金労働者としての怒り、非正規労働者としての怒りが、ストライキとなって爆発した。また清掃区域の合併を市政府は予定しており、これに伴う労働条件の悪化とさらなる低賃金化への抗議行動として闘われたのである。
 非正規雇用労働者をめぐる問題は今、中国でその矛盾を爆発させている。5月8日に黒龍江省佳木斯市で突入してきた車から教え子を守ろうとして身代わりになって車に轢かれ、重症となり、「全国女性英雄」の称号を受けた29歳の女性教師が、実は医療保険もなく月給1000元たらずの非正規教育労働者であったことが判明し、全中国に衝撃を与えている。
 中国では2004年段階ですでに7割の労働者が非正規雇用化していたという計算もあるが、現在の実態はこれをはるかに上回っている可能性が高い。こうした非正規を先頭とする中国の労働者の怒りが連日のストライキとなって今爆発している。6・10集会の成功をかちとり、中国の労働者との連帯をかちとっていこう!(G)
 写真上は市政府前で抗議する労働者。写真下はストでゴミだらけになった達州市。 

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事

アーカイブ

月を選択