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香港 コロナ解雇と治安弾圧許すな 労働組合先頭に反撃

「この解雇は政治的清算、仲間への宣戦布告」「労組は一つになって解雇の真相を暴く」などと訴えるYMCA労働者(3月23日 香港)

連日40人を超える新型コロナウイルスの感染者が出ている香港で、闘いは林鄭月娥行政長官による新型コロナウイルス対策を理由にした治安弾圧との激突に入った。
林鄭政府は3月27日、新たな新型コロナウイルス対策を発表。その一つは、5人以上が公共の場で集まることを禁止し、違反すれば最高35万円の罰金を科すというものであり、29日の午前0時から2週間の執行となった。交通機関、医療や仕事で必要な場合、警察はじめ司法機関の行動などは例外となっているが、これは集会やデモ、労働組合の活動、反体制運動を禁圧するものだ。記者会見で質問された林鄭長官も「なんら科学的根拠はない」と答えざるを得なかった。まさに治安政策であると認めたのだ。
飲食店などでは、席数を半分にすること、一つのテーブルは最大4人までとし、それぞれ1・5㍍の間隔を空けることなどが義務付けられた。またゲームセンターなど娯楽施設、フィットネスセンター、サウナ、映画館、パーティー会場などの2週間の閉鎖が命じられ、28日の午後6時から執行された。

記者会見で「社長は金をため、労働者は首を切られる」「労働者は死を待つが、政府は何もしない」「労働者は無理やり無給を押し付けられて、何も言えない」と訴える各業界の労働組合(3月28日)

これらの産業の減収・倒産は必至とされ、それが労働者への解雇となって襲いかかってきている。また、事実上のホームレスである「マクドナルド難民」の青年たちも行き場を失いつつあり、大きな社会問題になっている。
林鄭発表の翌日の28日、飲食業や旅行業、ホテル、航空業の労働組合が合同で記者会見を行い、政府の政策を弾劾した。
ツアーバスはまったく仕事がなくなっていること、ホテルも廃業で労働者は無給から解雇になっていること、さらにホテルが患者の発生により隔離対象になっていることなどのすさまじい現状が報告された。そして、発表された政府の政策は資本への援助金だけで、前線で働く労働者への賃金補償や失業手当がされていないことを弾劾し、失業や一時帰休、無給休暇、強制検疫への補償を政府に要求した。
また、新型コロナウイルスを口実にした解雇の横行に怒りの声が上がっている。香港YMCA(キリスト教青年会)の労働者28人の解雇問題(3118号既報)をめぐって、解雇された労働者たちは3月23日、解雇は新型コロナウイルスによる財政破綻によるものではなく、組合つぶしそのものであるという事実を怒りを込めて明らかにした。
昨年秋以来の香港全土での新しい労働組合結成運動の高揚の中で、YMCAでも労働組合結成運動が始まり、12月に準備会が発足した。すると、YMCA当局は結成を中止すること、仮に結成しても、(YMCAの)「補助機構」にすることを要求してきた。
だが準備会は、3月12日に行政との手続きも終えて正式に労働組合を発足させた。すると翌日、YMCAは労組関係者を含む28人を解雇したのだ。まさに労働組合の発足を阻むための弾圧にほかならない。解雇されたある組合員は、YMCA当局に「逃亡犯条例」改悪への態度表明を迫っていた。これに対する報復的な政治弾圧でもある。
解雇された労働者たちは「この解雇は財政難を口実にした労組つぶしであり政治弾圧だ」と真っ向から弾劾し、解雇撤回へ闘う決意を明らかにした。
アメリカでもいくつかの州で、「非常事態」時に「必要不可欠でない事業」として「労働組合」がリストに挙げられている。香港では5人以上の公共の場での集合禁止が発令された。
新型コロナウイルス対策を理由にした治安強化、労働運動つぶしが全世界で始まろうとしている。香港の労働者は、これとの真っ向からの闘いに入っている。安倍の「非常事態宣言」を許さず、労組つぶしと改憲に反対し、全世界の労働者と連帯して闘おう!

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