延安の労働者の闘い、非正規雇用阻止へ勝利的な前進
すでに本速報版(12月9日付)で報道したとおり、中国の延安市にある延煉サービス会社(延煉実業グループ企業総合サービス会社)で、労働者が非正規雇用化に反対し、「期限の定めのない労働契約」を要求して立ち上がった。この闘いは労働者の激しい怒りの前に会社側を徹底的に追いつめ、勝利的な前進をかちとっている。
延煉サービス会社は、市の労働部門が集めた労働者(集体工)175人、さらに親会社である延安煉油工場の労働者家族の労働者(家族工)約640人、計約800人の労働者を、外部の人材派遣会社との間で新たな労働契約を結ばせて派遣労働者(非正規雇用)にしようとする攻撃を今年の春からかけてきた。
すでに労働契約を結んでいる労働者を強制的に派遣労働者にするというのは、前代未聞の攻撃であり、中国の労働法との関係でも違法であるといわれる。
そして12月12日に会社は、“3日以内に派遣会社との労働契約を結ばない者は、自主的に退職したものとみなし、賃金を支払わない”とする警告を出してきた。しかしこの恫喝に屈せず、労働者は闘いを連日貫徹した。この非正規雇用化に反対する不屈の労働者の闘いは、全中国の共感と支援を呼び起こした。中国当局の封殺にも関わらず、事件はネットで次々と広がり、全国的な支援運動の輪が拡大した。広東省深セン市で幾多の労働争議にかかわってきた労働弁護士が、急いで延安に行き、労働者と合流、労働者の代表とともに党と会社を相手に団体交渉をした。一方で労働者は連日の抗議行動を会社で展開した。歴史的な団結行動が闘われたのである。ここには全中国の労働者階級の非正規雇用への激しい怒りが示されている。
この会社・地域を超えた闘いの広がりに、中国スターリン主義と会社は完全に追いつめられた。そして12月18日に「派遣労働者化は、労働者の希望にまかせる。すでに(派遣会社との新たな)労働契約を締結して後悔している者も、以前の身分にもどす」と公表するに至ったのである。だが労働者は、会社がこの発言をひっくり返すことを警戒し、その確約を求めて闘いを継続している。
この延安の労働者の闘いを始め、中国では次々と大規模なストライキが続発している。12月7日には、iPhoneの外装箱を印刷している香港系資本の深セン華彩印刷で、劣悪な労働条件に抗議して3000人のストライキが爆発。高速道路を封鎖して闘っている。12月10日にも江蘇省靖江市にある東方重工で、未払い賃金の支払いを求めて数千人のストライキが爆発した。さらに12月10日から22日まで広東省仏山市にある翔合靴会社の工場で、工場の移転に反対し、その補償を求めて600人のストライキがあり、工場は武装警官400人を動員して移転を強行する事態となった。
まさに発足したばかりの習近平政権は、非正規労働者を先頭とする労働者の怒りに包まれており、しかも決定的なことは、これらの労働者の闘いが、「経済開発特区」である広東省深セン市の青年労働者の闘いが切り開いた地平を背景にして、全国的に運動が結びつこうとしているのである。中国の労働運動は、確実に新たな段階に入りつつある。2013年、「外注化阻止」「非正規雇用撤廃」の闘いを発展的に闘いぬき、この中国の労働者との連帯をかちとっていこう!(K)
写真は、上から①非正規雇用に反対して抗議する延煉サービス会社の労働者②③工場の移転に反対する仏山の労働者のストライキ④深セン華彩印刷の労働者3000人が高速道路を封鎖してストライキ
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