偽装請負を摘発しろ! 動労千葉が労働局へ抗議の申し入れ
動労千葉は3日正午から検修外注化粉砕の第2波36時間ストに突入した。この日の午後には、各支部から組合員が結集し、千葉労働局への抗議・申し入れ行動を行った。
動労千葉は昨年来、何度も何度も労働局への申し入れを行ってきたが、労働局の担当者は「まだ違法行為が発生していないから調査に入れない」という理由にもならない理由でまったく動こうとしない。しかも、前回(8月28日)の申し入れでは出向対象となっている申し立て人全員が庁舎に入ったが、今回はわずか5人しか中に入れないというのだ。組合員の怒りはさらに高まった。
代表を送り出した後、組合員は千葉労働局の入る合同庁舎前で「立ち入り調査をただちに行え!」「毎日、偽装請負をやっているぞ!」「現場ではJRとCTSが入り乱れてるぞ!」と激しいシュプレヒコールを繰り返した。
田中康宏委員長は「労働局への要請を始めてからもう1年です。10月1日から外注化が始まってるんですよ。そもそも、違法行為をやらせないために動くのが労働局の仕事じゃないのか。労働者がこうやって突き落とされ、安全が破壊される。それを指をくわえて見ている連中は、ある意味で人殺しに手を貸しているようなものだ。絶対に許せない」と激しく労働局を弾劾した。
組合員も次々とマイクをとり、10月1日以降の現場の生々しい実態を暴露し「ただちに職場に立ち入りしろ」「労働局は、いったい誰の味方なのか!」と訴えた。三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さん、全学連の斉藤郁真委員長、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長、交運産別で働く青年労働者なども発言に立ち、労働局を弾劾するとともに、外注化攻撃粉砕に総力で立ち上がっている動労千葉組合員に心からの連帯を表明した。
抗議・申し入れを終えて出てきた川崎昌浩執行委員は、「千葉労働局の担当者は、今回の強制出向が『出向の4要件』(①人事交流、②会社の経営が傾いているのかどうか、③技術移転、④能力開発)にあたるのかどうかを聞いてきたが、なにひとつあてはまらないことを一つひとつ確認した。労働局側も最後には『この出向の問題については重大な争点として今後、問題にしていきたい』と言わざるをえなかった。職場で闘い、個別具体的な偽装請負の事実、出向要件の問題を徹底的に明らかにする。これが業務委託を粉砕し、外注化された仕事をJRに戻す道だ」と闘いの方向性を提起した。
この日の発言では、10月1日以降の検修職場の破綻的現状が次々と報告された。
JR東日本千葉支社は、1日~5日の強力なストライキの配置に恐怖し、動労千葉組合員が担当していた外注業務(構内入れ換え、仕業検査、検査派出)を「今日はJR対応だ」とJRの助役などをかき集めてやっている。組合員にスト破りを弾劾されると「この仕事は今日はCTSに委託していないからスト破りじゃない」などとほざいている。ある日はJRがやり、ある日はCTSがやる。これこそ100%偽装請負じゃないのか。その結果、現場は大混乱となり、幕張車両センターでは入れ換え業務の組み立てができず快速列車の出区が遅れて本線でも15分遅延した。習志野運輸区では、CTSが用意したのは電話機とファックスだけ、本当にアリバイ的だ。スパナなどの工具も、詰め所も何も変わらない。冷蔵庫も洗濯機も乾燥機もJRのもの。湯沸かしポットまでJRのものだ。ある検査派出ではパソコンが立ち上がらず朝まで作業指示ができなかった。CTSの就業規則や内規の説明を求めても、当局は「これまでと変わりません」と言うだけだ。まったく違う会社の指揮命令下に入って、何も変わらないとはどういうことか。一から説明を求めても、何も説明できもしない。これが検修外注化の実態なのだ。
田中委員長は「職場は本当にガタガタだ。だが、こういう現実を笑っているわけにはいかない。こんなことが続いたら必ず第2の尼崎事故が起きる」と警鐘を鳴らし、「その時、労働局は責任をとれるのか」とあらためて労働局を弾劾した。動労千葉の第2波ストは5日の勤務あけまで闘われる。(O)
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