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7月12日 動労水戸が緊急の時限ストライキ、被曝車両の運用再開阻止へ

20130716a-1.jpg 7月12日、動労水戸は緊急の時限ストライキに起ち上がった。午後4時、勝田車両センター南門から次々とストに起ち上がった組合員が外に出てくる。目前には、被曝車両K544の交番検査を強行しようとする現場である14番線が見える。この日、JR水戸支社は、車両センターの片隅・1番線に長期にわたって留置されてきたK544編成の車両を転線し、来週の交番検査を強制する検修庫内の14番線に移す作業を指示してきた。10日には、MTS(水戸鉄道サービス)の労働者に車両の清掃作業を強制している。水戸支社は自らの不正義に恐れおののき、既成事実を積み上げて来週の交番検査になだれ込もうとしているのだ。 

20130716a-4.jpg 7月5日の団交で水戸支社は、「車両が放射性物質で汚染されている」「交番検査をした場合放射性物質を吸い込むおそれがある」と認めながら「国が安全と言っているから通常の作業でやる」「線量を測定する必要はない」と強弁した。絶対に許せない。
 構内で働く労働者への心をこめたマイクアピールが続いた。冒頭、石井真一委員長は、「JRは、K544運用を強行して、常磐線の広野から竜田への延伸をしようとしている。私も行ってきたが、誰も住んでいない。パトカーと除染の車だけが走っている。広野駅にはたった一人で駅員が切符を売っていた。福島切り捨てのために労働者に被曝を強制している」と怒りをこめて弾劾した。さらに、家族会の辻川あつ子さんが「今日は、職場の仲間が、頑張ってきてと送り出してくれた。K544運用強行にはみんなが怒っている。青年は、カーボンブラシの放射線測定を要求して下さい。交検作業を拒否して下さい。母親は、そんな仕事すんじゃねえ、と言うに決まっています」と切々と訴えた。
 辻川慎一副委員長は「このK544の放射線量はまったく変わっていません。当たり前のことです。20130716a-2.jpgセシウムの半減期は30年です。30年経っても半分にしかならない。60年、100年経っても放射性物質は放射線を出し続けるんです。この放射線は、外から浴びせられるだけではなく、まさに体の中に取り込むことによって最も重大な打撃を与える。様々な病気をもたらすことがハッキリしています。JR当局は、職場で働く私たちの不安と怒り、その声の前に、約2年近くにわたってこのK544の運用が出来なかった。ところが突然運用再開を言ってきた。一体この車両は安全なのか。安全と言うならば、1メートルも離れたところの空間線量ではなく、その埃そのものを測るべきだ。会社はその必要はない、と一切測る気もない。測った場合に、この車両の運用を止めなければならない。そのことが問題なんです。国とJRが一体となってこれから広野からさらに、原発直近の竜田にまで延伸をし、そこまで安全宣言を出そうとしている。このK544の運用が出来ないとすれば、広野も危険である、その先になど延伸は出来ない。まさにそのことが問題なんです。政府が言っているからこの車両を運用するんだ、と。一体鉄道会社として自分たちの責任はどこに行ったのか。労働者の生命と健康を考えるならば、徹底的に安全をはかるべきだ。徹底的に放射線を測るべきだ。当然のことじゃないか。すでに車内の清掃を清掃業者に命じて、やっている。これから床下だよ、その影響で5年、10年たって青年たちがガンになったり、亡くなったり、病気になったり、こういうことについて一体どう責任をとるんだ。どう責任をとるのか、言って欲しい」と激しく訴えた。
20130716a-3.jpg 続いて、ストに起ち上がった照沼組合員が「働くすべての皆さん、動労水戸はK544の交検・入場を絶対に止めたいという思いからストに起ち上がっています。3・11原発事故以降半年以上も広野に置きっぱなしにしていた車両を強制的に移送し、何の手も付けられずずっと放置してきた、そして、3月、急に冷却器のメイントランスを取り替えると言ってきた。何のために取り替えるのか。会社は、線量が高くて労働者から不安の声があがったから、と言っていました。では、職場の中で何人の人が冷却器を取り替えろと言ったか。何人の人が言ったか出してみろ、それさえも出来ない。今度は交検をする、入場をする、ふざけんじゃない、まともな線量測定もしないで、何の根拠も無いくせに、国が基準以下だから、安全だと言うから問題ない、何の根拠があって言っているんだ。その根拠を示していないじゃないか。この交検に何の意味があるんだ。この入場に何の意味があるんだ。安全だというならその根拠をしっかり示したらいいじゃないか。床下もモーターも全部開けて線量を測ったらいいじゃないか。もしくは他の車両を測ったらいいじゃないか。他の車両と比較して変わらないから大丈夫だと言ってみろ。それすらやらないじゃないか。それなのに国の基準以下だから問題ない。国の基準は外部被曝の基準だ。内部被曝に基準なんかないんだ。放射性物質があることも、それを吸い込む危険があることも認めている。それなのに、なぜ線量を測らない。被曝の対策もとらない。言っていることとやっていることが矛盾しているじゃないか。そういうことを私たちは強く訴えていきたいと思います。そして、このK544の入場が強制され、交検が強行されれば、間違いなく常磐線の竜田延伸もされるでしょう。でも今竜田には一人も帰っていない。そこに電車を走らせて何の意味があるんだ。会社はまったくの無駄なことをしようとしている。ずっと、目にゴミが入れば保護メガネを与え、首をひねれば、配管を撤去し、こうしたことをやってきたにもかかわらずなぜ今回は何もやらないのか。会社はこう回答しましたよ。いやその時は危険だと判断したから準備をした、と。K544は、目にゴミが入るどころの問題じゃないんだ。ガンになる。へたしたら死ぬかもしれない。そういう危険がある。そして、ここの車両センターの最高責任者である所長も、2番目である副所長も、そして、検修の責任者である検修助役が一人も出てこない、どういうことだ。社員の命をなんだと思っているんだ。もっと真摯に対応したらどうなんだ。われわれは、このK544の交検を絶対に認めない。徹底的に闘います。皆さん共に闘いましょう。」と、腹の底からの怒りを爆発させた。
 動労水戸は、16日全組合員がストライキで起ち上がる。すべての皆さん、共に起ち上がろう。(O) 

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