動労水戸 10・1外注化阻止へ第2波のスト
動労水戸は9月13日、誘導・計画業務10・1外注化阻止を掲げて第2波ストライキに立ち上がった。この日の勤務者全員がストライキに入った。
午前11時に、勝田車両センター門前に組合員と支援が結集し抗議闘争を行った。木村郁夫書記長は「昨年の外注化強行から1年で、どれほど職場が混乱し、安全が破壊されたか。JR水戸支社ですら団交で『(外注化の現状は)課題がある』と言わざるをえない現実だ」と怒りをあらわにし、「こんな施策の先に未来があるのか。しかたがないことなのか。分断を打ち破り、今こそ声をあげよう」と職場の若い仲間に訴えた。高野安雄副委員長も「MTS(水戸鉄道サービス)がまともに業務の遂行もできず、教育訓練もできないことは明らかだ。この現状の上に、さらに外注化を拡大することなど絶対に許されない」と述べ「動労水戸は外注化を粉砕するまで徹底的に闘い抜く」と訴えた。
不当労働行為粉砕裁判を闘う
抗議行動を終えた組合員らは水戸市内に移動し、ストに入った他の組合員と合流。全員で水戸地裁民事第1部(脇博人裁判長)で開かれた不当労働行為粉砕裁判の第9回口頭弁論に臨んだ。傍聴席に入りきれないほどの大結集となった。
裁判では、原告代理人の松田生朗弁護士が意見を述べ、JR東日本が書面で「運転士が勤務したら夜勤手当が発生する」ことを認めながら、未払い分の差額賃金について「支払う必要はない」と居直っていることをあげ真意をただした。すると、脇裁判長が間に割って入り「一般的な解雇事件におけるバックペイ(未払い賃金の支払い)でも残業代は支払われない」と、あろうことか被告に成り代わって説明を始めた。原告と傍聴者は脇裁判長に対して「会社の代理人に聞いてるんだよ!」怒りの声をあげた。しかも、運転士登用差別裁判をめぐる最高裁確定判決は「運転士として勤務したら得られたであろう賃金」との差額の支払いを命じている。運転士の勤務の性格から、夜勤手当や超勤手当は、どの運転士にも例外なく発生する。脇裁判長の“解説”自体が的はずれもいいところだ。
裁判の総括集会で、原告代理人の葉山岳夫弁護士や山本志都弁護士も「けしからん姿勢だ。JR東日本の代理人そのものだ」「真ん中に座ってはいるが中立でもなんでもない」と裁判長のあり方を批判した。
集会の基調を提起した石井真一委員長は、この裁判について「国鉄分割・民営化以来の国鉄労働運動つぶしに抗しして、国をあげた闘いに26年間闘い抜いて勝利の展望を切り開いている。運転士登用差別、昇進差別、現在も継続している動労水戸への不当労働行為などの一切を粉砕する闘いだ」と、あらためてこの闘いの意義を明らかにした。
石井委員長はさらに、10・1誘導・計画業務外注化をめぐってJR水戸支社が、動労水戸との団交を一方的に打ち切りながら「出向の発令だけはやらせてもらう」と事前通知を出そうとしていることを激しく弾劾。きわめて専門性の高い誘導・計画業務を下請け会社に放り出すJR水戸支社を批判し、組織拡大闘争を軸にして外注化粉砕するまで闘い抜くことを宣言した。また、被曝車両(K544編成)をめぐる被曝労働拒否、当局による「偽装交検」弾劾の闘いを総括した上で、「安倍首相のとんでもないうそが露呈し、『原発再稼働・輸出なのか、全原発の廃炉か』をかけて原発問題を根底から問う過程に入る。常磐線の竜田駅までの延伸は一大決戦になる」と述べた。最後に「連合の崩壊が始まり、労働運動の転換期が来ている。この情勢をつくりだしたのは動労千葉、動労水戸―動労総連合の闘いだ。今年こそ1万人を集める決意を固めて、11・3集会へのチケット販売やオルグを始めよう」と提起した。
辻川慎一副委員長のまとめの提起で集会を終え、全参加者でJR水戸支社への抗議行動を闘い抜いた。高野副委員長が「現在、支社のビルで、外注化妥結に向けて東労組が団交をしている」と暴露し、怒りを込めて何度もシュプレヒコールをたたきつけた。(O)
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