1. HOME
  2. ブログ
  3. パククネ打倒へ5万人, 民営化・労組破壊に実力デモ

パククネ打倒へ5万人, 民営化・労組破壊に実力デモ

20131115b-1.jpg 民主労総は11月9、10日、2013年全国労働者大会をかちとり、パククネ政権の労組破壊=民主労総解体攻撃に対し、80万組合員の総力で法の枠を突き破ってでも民主労総の原点をよみがえらせて闘うことを宣言した。韓国労働者階級は、民営化・外注化、労組解体の新自由主義攻撃に「労働者はひとつだ。非正規職を撤廃しよう。労働弾圧を粉砕しよう!」と、正規・非正規などのあらゆる分断を打ち破る巨大な一歩を踏み出した。11・3労働者集会から1週間、国際連帯の実践と発展を求めて訪韓した動労千葉、動労水戸と全国の労働者・学生80人は9日夜、ヨイド公園で開かれた非正規職撤廃全国労働者大会への参加を皮切りに、10日午前にはサムスン電子本社に対する金属労組の抗議集会に駆けつけ、午後、ソウル市庁前広場に5万人が結集した全国労働者大会をともに闘った。大会後、ソウル都心を5万人の大デモで席巻し、パククネ政権を震え上がらせた。 

 20131115b-2.jpg10日午後、ソウル市庁前広場で開かれた「民主主義破壊中断! 労働弾圧粉砕! チョンテイル烈士精神継承! 2013年全国労働者大会」には、5万人の労働者が大結集した。この10日前、サムスン電子サービス支会のチェジョンボム組合員が、サムスン資本の労組弾圧に抗議の遺書を残して自決した事態に対する怒りの大結集だ。大会は、財閥企業の労組弾圧、全教組と公務員労組、統合進歩党などに対する政府の公安弾圧を弾劾し、総力闘争を展開することを決議した。
 「総力闘争で民主労総を守ろう。烈士精神を継承し労働弾圧を粉砕しよう!」とのかけ声とともに、民主労総傘下の労働組合の旗が会場中央に向かって入場した。色とりどりの労組旗が風にひるがえる。壮観だ。
 司会のユギス民主労総事務総長が「43年前、チョンテイル烈士は勤労基準法を守れと叫びました。10月30日、サムスンの反労働者的犯罪経営によってチェジョンボムさんを失いました。数多くの烈士が私たちのもとから去っていきました。資本の鎖を断つ必要があります。黙祷(もくとう)」と号令を発した。
20131115b-3.jpg 続いて「ニムのための行進曲」を大合唱し、参加者は烈士に思いをはせた。会場の最前列にはチェジョンボム烈士の遺影を掲げたサムスン電子サービス支会を始め金属労組が並んでいる。サムスン電子サービス支会天安(チョナン)分会の組合員チェジョンボムさん(33)は、ネットに「とてもつらい。私はチョンテイルさんのようにはできないとしても、役に立つことを願います」との遺言を残し、10月31日、遺体で発見されたのだ。
 大会は、解雇者を組合から除外する規約への変更拒否を理由に労組認定を取り消したパククネ政権の全教組解体攻撃や、公務員労組への法外労組扱い継続、組合への不当捜索とサーバー押収に怒りが爆発した。
 全教組忠北(チュンボク)支部清州(チョンジュ)工業高校分会長が怒りの発言に立った。「パククネ政権が先日、全教組を労働組合と認めないと発表しました。しかし組合員は少しも引いていません。むしろ以前脱退した組合員が再加入したり、新しい組合員も増えています。政府が問題視している9人の解雇者を切り捨てるのではなく、組合員全員がその荷を背負うことにしました。1989年創立当時の初心を取り戻して闘っていきます」と胸を張った。
20131115b-4.jpg パククネ政権は公約を破棄し、鉄道、ガス、電力を財閥に売り渡そうとしている。ストライキを構えて民営化阻止に立ち上がっている公共運輸連盟全国鉄道労組のキムミョンファン委員長が「11月28日にガス労組がストに突入します。12月にはKTXの分割・民営化を阻止するため鉄道労働者が鉄道を止めます。国民の財産・命・安全・未来を守るために私たちがゼネストの旗を高く掲げる時です」と宣言した。
 さらに全国建設労組のクォンヒョクピョン江原(カンウォン)地域本部長が「非正規職と特殊雇用労働者が共存する建設現場は低賃金と劣悪な労働条件が蔓延(まんえん)している」として、「労組ではないとされた全教組、労組設立を認められない公務員労組、そして『労働者ではない』とされる特殊雇用労働者と非正規職労働者のすべてが労働基本権を獲得するための共闘を力強く進めよう」と呼びかけた。
 黄色のポリスラインが会場全体に張りめぐらされ、パフォーマンスが始まった。「資本を守るための秩序と権利……この線をのりこえなければならない。労働者の力でやつらがつくったこの線をのりこえる!」
 続いて、民主労総のシンスンチョル委員長が発言に立った。鬼気迫る発言に、大会の緊張感は頂点に達した。
 「民主労総は労働者たちの血と汗でつくられた組織です。しかし政府は法律と秩序を掲げて労働組合を否定し、労働者を労働者と呼びません。今、民主労総の法的地位には何の意味もない!」と民主労総の労組設立申告書を破り捨て、「先輩労働者には申し訳ないが、民主労総はこれ以上法の枠の中に残ることを拒否します。その代わりに80万組合員の心の中に、1700万労働者の心の中に残ることを選びます。皆さんの心の中に眠っている怒り、闘争本能、意志を呼び起こしてください。これから民主労総は皆さんの鼓動とともに闘争します。資本がつくった差別の壁を破って、破壊された民主主義と、この地の労働者たちの希望のために闘おう。やつらによって押し付けられたこの線を労働者の意志で突破しよう! 労働者はひとつだ! 非正規職撤廃! 民主労総の総団結で労働弾圧を粉砕しよう」と渾身(こんしん)の訴えを行った。
 目に涙を浮かべる組合員たち。パククネ打倒の決意を込めた「トゥジェン(闘争)!」の力強いかけ声がとどろいた。
 午後4時30分、デモが出発。乙支路(ウルチロ)を経て清渓川(チョンゲチョン)のチョンテイル橋を目指した。途中、規定のデモコースを突破し、片側全車線を埋め尽くす実力デモを敢行した。労組旗を押し立て駆けぬけるデモの大隊列と解放感に満ちた労働者の顔。動労千葉訪韓団も民主労総ソウル本部のリードでデモ行進を闘いぬいた。東大門(トンデムン)歴史文化公園の前の交差点で阻止線を張る警察部隊と対峙し、目的地のチョンテイル橋までのデモを貫徹した。
 デモ後、訪韓団を前に動労千葉の田中康宏委員長が総括を提起した。「僕らの闘いの方向性は、絶対に間違っていなかったということを11月3日の集会で私は確信をしました。だからこういう国際連帯もできています。でもそれだけを確認していればいい時はもう終わりました。情勢は急速に動いています。というのは、敵の側が危機だから、足元が崩れ落ちているからです。だから今、方向の正しさとともに、組織する力を持つことが大事だと、ここ韓国に来ても痛感しました。われわれ自身がこれまでの延長線上のあり方を突破すれば必ず怒りの声と結びつきます。これができれば一気に情勢は動く」
 ソウル本部のイジェウン本部長は「パククネ政権に反対する今日の労働者大会に一緒に参加してくれてありがとうございました。これからも心を合わせて力強い闘いをしていきたいと思います」とあいさつした。
 11日、動労千葉訪韓団は、韓国最長の争議となっている全国事務金融サービス労働組合ゴールデンブリッジ投資証券支部を訪問し、本社抗議集会に参加した。また公務員労組や全教組、公立の晋州(チンジュ)医療院閉鎖阻止を闘う全国保健医療労組などとの産別交流を行い、日韓労働者連帯の新たなスタートを切った。
 東京とソウルでともに11月を闘った韓国民主労総の同志たちとの国際連帯の力を自覚し、「線を越えて」前に進もう。(K)
 

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事

アーカイブ

月を選択