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鈴木さん一坪共有地裁判で更新手続き

20131116a-1.jpg 11月14日、千葉地裁民事第5部で鈴木さん一坪共有地裁判の弁論が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民が「農地死守」の気概に燃えてともに闘った。
 弁論が再開されるのは実に2年2カ月ぶりだ。被告の反対同盟・鈴木幸司さんが亡くなり、その後長男の謙太郎さんが亡くなったため、その承継(相続)問題をめぐって争ってきたからだ。一坪共有地は、「三里塚地区周辺に土地をもつ会」という組合所有のため、規約に基づき「空港反対運動を続ける人に相続させる」と決めてきた。だが千葉地裁は組合所有を認めず、一般的相続としてしか所有を認めなかったので上告して争い、その間裁判はストップしていた。不当にも、組合所有の承継を却下する最高裁決定が出たため、弁論再開となった。
 

 裁判長が仲戸川隆人から松並重雄に交代したことにともない、この日は弁論更新の手続きが行われ、葉山岳夫弁護士をはじめ顧問弁護団は、次々と立って原告・千葉県に対し全面的な批判を展開した。
 鈴木幸司さん、いとさん夫妻が共有する駒井野の一坪共有地について、千葉県がNAAの手先となって裁判に訴え、明け渡しを求めてきたのがこの裁判だ。そこに「成田国際物流複合基地」なるものを造るために、千葉県が土地を造成・整備して成田空港会社(NAA)に譲渡するというのだ。だが、大恐慌情勢のもとで羽田との競争にも敗勢を強いられ、衰退著しい成田空港にとって、そんな大仰な計画はとうの昔に無意味化している。そして県は今になって、「造成の完了を2015年に延期する」とか「全体計画を見直し、計画面積を68㌶から28㌶に縮小する」と言い出してきた。このプロジェクト自体が破産の危機に直面していることを開き直って自認したのだ。だが県は、「公共性」などひとかけらもないこんなもののために、「全面的価額賠償」(共有物分割のために金銭解決を強いる方式)を持ち出して一坪共有地強奪を狙うという姿勢をまったく変えてない。市東さんへの農地強奪攻撃と一体であり、絶対に許すことはできない。
 鈴木幸司さん、謙太郎さんの相次ぐ逝去も、こうした攻撃の重圧との闘いの中で命を奪われたということだ。
 弁護団は千葉県の悪らつ極まりない土地強奪攻撃を徹底的に断罪した上で、一坪共有地の実地調査を行ったことがある福井県立大学の清水和邦教授を証人採用するように迫った。
 最後に次回期日を3月6日として閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、記者会見と報告会が伊藤信晴さんの司会で開かれた。弁護団全員が発言し、市東さんの農地裁判と一体でこの一坪裁判も勝利する決意と展望を語った。また農地裁判控訴審の開始を前に、大法廷の使用などをめぐって東京高裁・貝阿弥裁判長との緊迫した折衝が続いていることが報告された。
 記者との質疑応答が行われ、さらに動労千葉の後藤俊哉さん、市東さんの農地取り上げに反対する会の連帯発言が続き、最後にまとめのあいさつとして萩原進事務局次長が立った。「一坪共有地は民衆の側に与えられた抵抗の手段だ。それを奪うために裁判所が承継問題などをもちだしてきていることを許してはならない。市東さん農地裁判控訴審の開始に向けて、準備を重ねている。反対同盟は17日には再度、地域住民の中にビラをまきオルグする一斉行動に立ち上がる。三里塚は全国の職場、地域の闘いと結びついて闘うので、皆さんの支援をお願いします」
 この訴えを大きな拍手で確認して、全員が反対同盟の農地裁判勝利への意気込みを共有した。(TN)
 

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