鈴コン裁判勝利報告集会 闘いは第2ステージに突入
4月18日、鈴コン闘争勝利報告集会が東京・板橋で開かれた。勝利判決の興奮も冷めやらぬ中、仕事を終えた労働者が続々と駆けつけ、会場満杯となる155人が結集し、勝利の凱歌(がいか)をあげた。
東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会は2日前の16日、東京地裁で分会三役の解雇は無効(地位確認)の判決をかちとった。“資本が控訴しても、控訴審の終了まで賃金を支払え”という仮執行宣言も付いた。
集会では、この勝利に会場全体が激励され、階級的労働組合づくりの神髄に感動的に獲得された。鈴コン闘争は第2ステージに突入したのだ。
司会の動労水戸執行委員で小竹運輸グループ労組支援共闘会議代表の池田学さんと、合同・一般労組全国協議会の青年が集会をリードした。
鈴コン闘争支援・連帯共闘会議呼びかけ人代表の花輪不二男さんは、感無量な面持ちで「現場で団結を築いたから勝利できた。非正規職の労働組合の闘いはこれからだ」と述べた。
弁護団の木下徹郎さん、藤田正人さん、鈴木達夫さんも満面の笑みで、勝利判決の画期性を語った。鈴木さんは判決の意義について報告。ポイントは、経営側の“組合の情宣が名誉毀損(きそん)にあたるからクビは当然”という主張に対し、判決では、「過剰な表現」があったとしても「情宣活動は組合活動の一環」と、労働組合活動の正当性を認めたことだ。鈴木さんは「これこそ労働組合の強さだ」と強調。「労組法の民事免責を否定できない踏み込んだ判決だ。現場の創意、戦闘性、団結力こそが真理だ」と勝利判決の原動力を明らかにした。
鈴コン分会の組合員は全国の支援に感謝し、新たな決意を表明した。吉本伸幸書記長は「全世界の労働者に訴えたい」として、「3カ月雇用の非正規職労働者であっても労働組合をつくって闘えば勝てる」と喝破し、「鈴コン闘争は第2ステージに入る。職場を全部獲得する。産別、地域も獲得する」と戦闘宣言を発した。
鈴木善弘会計は「最初の仮処分裁判で勝利した。闘いは最初が肝心。皆さんと楽しく闘い続けます」と元気よく発言。内尾稔分会長は「職場に必ず戻る。鈴コン闘争の勝利を全国に広げる」と無限の可能性を語った。
鈴コン分会の強さは解雇者と職場に残った組合員が団結していることにある。職場の組合員も「歴史的勝利。すごくうれしい。職場は鈴コン分会を応援してくれている。全員組合員にしたい」「職場では『勝って当然だ』という感じだ」と闘志を燃やした。
闘う労組の復権の鍵はどこにあるのか。特別報告に立った動労千葉の田中康宏委員長は、「家族の生活とのはざまで揺れ動きながらも『会社は絶対におかしい』という労働者の気持ちをつかみ、労働者が人生かけて闘う決断をした時こそが、闘う労組の出発点だ」と鈴コン闘争から説き明かした。そして「今日はわれわれの新たな誕生の日だ。無数の労組を結集させる組織者になり、安倍を倒そう」と6・8国鉄闘争全国集会を呼びかけた。
闘争報告では、郵政八王子西局闘争、小竹闘争、条件付採用教員(新規採用教員)の闘い、JAM神奈川ジェコー労組、日本育成会闘争、沖縄IJBS闘争など解雇撤回を闘う仲間が発言。鈴コン闘争勝利の地平をもって、それぞれの解雇撤回闘争がひとつに結びついた。
すべての職場で鈴コン分会のような労組をつくろう!(東京・K)
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