尼崎事故弾劾闘争 360人の結集で安全崩壊のJR体制打倒を宣言
4月19日、JR尼崎駅北口広場で尼崎事故弾劾の全国総決起集会が闘いとられ、国鉄労働者を先頭に全国から360人が結集した。事故から9年目のこの闘いは、安全を崩壊させたJR体制の打倒を宣言し、国鉄決戦で新自由主義を粉砕する階級的労働運動をつくり出そうと誓い合う場になった。
司会を務める国労東海の木村芳雄さんの「労働者の団結だけがJR体制を打倒できる」という開会あいさつで集会が始まった。主催者として動労千葉の中村仁執委員が発言し、「4月16日の第2回署名提出行動で提出された署名は累計3万5千筆になった。国鉄闘争全国運動の6・8集会までに10万の署名を最高裁にたたきつけたい。国鉄分割・民営化は首切りと非正規職化の出発点だ。事故を弾劾するだけでなく闘いが必要だ。10万筆署名と物販を皆さんの武器にしてほしい」と訴えた。
主催者の国鉄闘争全国運動関西準備会を代表して発言した全国金属機械港合同の中村吉政委員長は、「尼崎事故から何年もたつのに事故が頻発している。JRの犯罪的行為だ。橋下の権利侵害に対し立ち上がった6人の闘いが大阪全体の運動を引き上げている。安倍政権は憲法を力ずくで奪い去ろうとしている。戦争への一歩だ。港合同の地域メーデーのスローガンは『解釈改憲・貧困にノー、戦争をする国づくり許すな』だ。戦争をやめさせる責任が私たちにある」と強調した。
今年も動労西日本の山田和広書記長が基調を提起した。冒頭、山田書記長は東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の勝利を報告し、「JR西日本でも事故が続発している。4月15日にも遮断機のない芸備線戸坂(へさか)駅構内踏切で死亡事故が発生した。徹底した合理化で駅員や乗務員を削減した結果だ」とJRを全面弾劾。「JRを始めあらゆる産別・職場に階級的労働運動をつくり出そう。反合理化・運転保安闘争で闘おう。外注化・非正規職化に怒りをもって決起している青年労働者に『社会の主人公はおれたちだ』と訴え、圧倒的に団結してJR体制を打倒しよう」「解雇撤回・JR復帰の最高裁10万筆署名を貫徹しよう。6・8国鉄集会へ結集しよう」と呼びかけた。
国労郡山工場支部の橋本光一さんは「郡山工場支部の労働者は根底的に変わった。12年3・11郡山集会で変わり、動労水戸と連帯した被曝労働拒否の闘いで変わり、外注化との闘いでまた変わった。労働者に希望と展望を示せるのはわれわれだけだ。体制内改革派ではなく体制そのものを打ち倒す立場だからだ。青年は中途半端なものには希望も展望も感じない。私の職場でも10・1外注化が提案された。攻撃を倍にしてJRに返す。外注化阻止へ立ち上がる」と決意を表明した。
動労水戸の石井真一委員長は「外注化を断固阻止する」と述べた上で、常磐線竜田延伸との攻防について「竜田駅は整備され、いつでも走れるようになっているが、動労水戸の闘いで延伸を阻止している」と報告した。
国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんは「4月1日にJR九州本社に抗議行動を行ったが、JRは敷地にも入れない。このJR体制をひっくり返す。組合員権を奪った国労本部を一日も居座らせてはならない。私は先頭で闘う」と宣言。国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは「尼崎事故の責任を高見運転士一人に押しつけ、データ改ざんの責任を青年労働者に負わせて懲戒解雇する。これがJRの現実だ。青年を解雇したやり口と私たちを解雇したやり口は同じ。JR体制を打倒し青年の未来を切り開こう」と訴えた。
動労西日本の大江照己委員長は「JR西日本はダイヤ改正前後の3日間、ストをさせないため私を勤務から外した。だが私は3月17日、ストに立ち職場にビラをまいた。会社は悲鳴を上げ、動労西日本に抗議してきた。われわれの闘いは威力を発揮している。もっと大きく組織拡大に打って出る」と宣言した。
JR関連企業の労働者は、「新津車両製作所の分社化に対し、3月10日にデモを打ちぬいた。会社の違い、労組の違いによる分断をのりこえ、労働者は団結できる。それが階級的労働運動の力だ」と展望を語った。国労米子、国労福知山の労働者の発言を受け、国労東京の小林洋さんが「JR東日本は川崎駅事故を下請け労働者のせいにしようとしている。駅でも委託が始まり、さらに無人化されて駅遠隔操作システムが導入された。国労本部に頼らず安全問題を最大の課題に闘いを広げたい」と決意を述べた。
国労奈良電車区分会の橘日出夫さんのカンパアピールの後、国鉄闘争全国運動関西準備会に参加する団体・個人が決意を表明した。関西地区生コン支部の武谷新吾書記次長は春闘について報告し、「2年連続の1万円の賃上げで妥結したが、ゼネコンとセメントメーカーからその原資を取る新たな闘いを続けている。鈴コンの仲間が法廷闘争で勝利し、現在、現場で原職復帰に向けて闘っている。春闘は決着したが、背景資本との闘いは終わっていない。皆さんとともに闘いたい」と発言した。
全国金属機械港合同昌一金属支部の木下浩平書記長は、「私たちが国鉄闘争を正面課題にし始めたのは、昨年急逝された大和田幸治事務局長が『国鉄闘争を闘ってこそ低迷する労働運動の現状を変えられる』と提起したことが大きなきっかけだ。この闘いを通して闘う労組を守りぬいている。労働者に犠牲を押しつる安倍政権に断固反対し闘いぬく」と決意を語った。
関西合同労組の黒瀬博匡泉州支部委員長は「泉佐野選挙闘争で関西合同労組や自治体などに拠点をつくり、新自由主義を打ち破ろう」と呼びかけた。八尾北医療センター労働組合の灰垣美佐子書記長は、10万筆署名学習会の取り組みを報告し、「西郡で住宅追い出しと闘う供託者に対する駐車場取り上げの強制執行が通告されたが、そこに敵の追い詰められた姿が表れている」と述べた。14年春から関西準備会に参加した高槻医療福祉労働組合の村山裕子委員長は、労組つぶしを狙う新自由主義経営に対し青年労働者の決起で春闘を闘っていると報告、「成長戦略の柱である医療で安倍政権と闘いぬく」と決意を明らかにした。大阪市職の赤田由行さんは、橋下を打倒した勝利を総括し「労働組合の無限の可能性で社会を変えよう」と呼びかけた。日教組奈良市の増田順計書記長は、動労千葉とつながることで日教組奈良市の闘いをつくってきたと報告した。全学連の大森靖之副委員長は、法大闘争と京大同学会再建で大学当局を追い詰めていると報告し、尼崎闘争を闘う決意を明らかにした。
国労兵庫保線分会の冨田益行さんが「軸となるのは青年労働者の獲得だ。一気に青年を獲得できる一歩手前まで来ている」と集会をまとめ、団結ガンバロ-を行った。直ちに事故現場に向かうデモが意気高く打ちぬかれた。
尼崎闘争をばねに今こそ青年労働者を獲得しよう。10万筆署名運動を達成し6・8に結集しよう。(関西・K)
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