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三里塚・第3誘導路裁判、騒音被害の実態を暴く

20140917a-1.JPG 9月16日、千葉地裁民事第3部(廣谷章雄裁判長)で第3誘導路裁判の弁論が開かれた。
 第3誘導路は、天神峰で営農を続ける市東孝雄さんを追い出すだけの目的で200億円という巨費を投じて造られたものだ。これによって市東さんの家と農地は四方を空港施設によって囲まれ、日々航空機の走行と離着陸の巨大な騒音を浴び続けている。この第3誘導路の違法性を暴き、国と空港会社(NAA)に供用差し止めを求めるのがこの裁判だ。

20140917a-2.JPG 反対同盟顧問弁護団は今回、「準備書面13」を提出した。その中で、すでに6月に提出した松井利仁教授(北海道大学大学院)による「航空機騒音による健康調査意見書」において明らかにされた騒音被害の調査結果をもとに、「騒音対策をおろそかにすることは壮大な人体実験であり、空港周辺の多くの住民の生命と健康を保護するために直ちに夜間運航を止めるべき」と主張した。騒音測定は昨年11月に、天神峰、東峰、取香の3地点で行われたが、いずれもWHOが示した健康影響のガイドライン値を大幅に超えていた。夜間・早朝の騒音は深刻な睡眠妨害となり、昼間の騒音も高度の不快感を催させるレベルであることが証明された。今後も、今年5月に出された第4次厚木基地爆音訴訟一審判決(自衛隊機の夜間飛行差し止めを命じる)で採用された違法性基準に基づき、主張を補充することを明らかにした。
 さらに弁護団は「再求釈明書」を提出し、暫定滑走路B’について、ICAO(国際民間航空機関)によって定められた進入表面(航空機が安全に離着陸を行うために設置される勾配を有した表面)の規制をまったく無視して、航空機の運行を続けていることを追及した。滑走路の南側、北側ともに屋敷林などの樹木が進入表面を突き破ってそびえている。明白な国際条約違反、航空法違反だ。NAAはこの現状を認めながら、「パイロットには注意を与えているから問題ない」などと、東峰地区の頭上40㍍の離着陸を日々強行し、追い出し圧力をかけているのだ。こんな居直りを許してはならない!
 次回期日を12月1日と確認して閉廷したあと、千葉県弁護士会館において報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士が「今日の法廷は表向きは静かに終わったが、われわれは“紙の爆弾”を投げつけた」と被告の国とNAAを追い詰めた手応えを語った。続いて各弁護士が、法廷の解説と農地裁判控訴審を始め三里塚裁判勝利への決意を表した。
 質疑応答の後、10・8農地裁判控訴審~10・12三里塚全国総決起集会へ動労千葉の滝口誠さんが労農連帯で闘う決意を述べ、関西実行委が連帯発言を行い、最後に伊藤信晴さんが農地取り上げに反対する3万人署名達成へのさらなる奮闘を促して、集会を締めくくった。
 反対同盟と支援連はこの日も、残暑の午後の強い日差しと照り返しを受けながら千葉市の繁華街での情宣活動に立ち、3万人署名を全力で集めた。(TN)

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