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豪雨をついて三里塚全国集会、農地裁判控訴審勝利を誓う

20131022a-1.jpg 10月20日、成田市で三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で三里塚全国総決起集会が開催された。千葉地裁・多見谷裁判長の反動判決に怒りを燃やし、市東孝雄さんの農地を絶対に守りぬく固い決意で、悪天候をついて全国から730人の労農学人民が結集した。
 集会場は空港敷地を食い破る東峰の萩原進さんの畑だ。午前から降りやまない雨によって畑は冠水し、人が立ち入ると深々と沈み込むほどのぬかるみ状態になっている。参加者は畑の横の草地に集合し、反対同盟が控えるテントが臨時の演壇となった。目の前で暫定滑走路から離陸するジェット機が数分おきに大騒音をまき散らし、さらに豪雨が容赦なく降り注ぐ中、正午に集会が開始された。

20131022a-3.jpg20131022a-4.jpg 司会の萩原富夫さんが「10・20闘争宣言」を読み上げ、農地裁判控訴審勝利と安倍政権打倒を高らかにアピールした。
 続いて北原鉱治事務局長が主催者あいさつを行い、三里塚闘争の正義を確認しながら「50年近くたっても完成しない成田空港のこのぶざまな姿を見てください。勝利をめざして闘おう」と訴えた。
 連帯のあいさつの最初に動労千葉の田中康宏委員長が立ち「今日のこの激しい雨は、新自由主義のもとでたたき落とされてきた労働者・農民の怒りの声だ。この怒りを集めて反撃の嵐とすることがわれわれの任務だ」と切り出し、農地強奪判決を弾劾し反対同盟との連帯を表明した。そして9・25東京高裁・難波判決に表された国鉄分割・民営化の矛盾と破綻を鋭く批判し、11・3全国労働者総決起集会への大結集を呼びかけた。
 関西新空港反対住民の発言に続き、天神峰の市東孝雄さんが大きな拍手と歓声に包まれて発言に立った。「NAAの罪を問わず、私には畑を明け渡せという多見谷判決に対して、腹立たしく納得できません。舞台は東京高裁に移りますが、必ず勝利します。皆さんとともに闘います」
 この市東さんの鮮明な決意に続き、反対同盟顧問弁護団がマイクを握った。葉山岳夫弁護士は、市東さんの全20131022a-5.jpg20131022a-6.jpg耕作面積の73%、1万3千平方㍍を収奪しようとする多見谷判決を根本から断罪した。そしてすでに東京高裁との折衝に入ったことを報告し、拙速裁判を許さぬため控訴審闘争へ総決起することを要請した。さらに「市東さんの農地取り上げに反対する会」、高崎での9・29集会を成功させた「群馬・市東さんの農地を守る会」の発言が続いた。
 婦人行動隊の木内敦子さんのカンパアピールに続き、福島から駆けつけた住民・農民4人が次々と発言に立った。福島市の椎名千恵子さんは、ドイツを訪れ核廃棄物処理施設に反対するゴアレーベンの闘いと交流し、労農連帯をうち固めてきた三里塚闘争への敬意を示されたことを報告した。さらに来年3・11集会の郡山での開催決定を誇らしげに伝えた。
 「市東さんの農地を守る沖縄の会」の発言に続き、全国農民会議に結集する福島、山梨、千葉の農民が闘う決意を次々と表した。福島の農民Oさんは、市東孝雄さんの父・東市さん20131022a-2.jpgが「戸村精神は日帝打倒の思想だ」と常々語っていたことを述べ、「いま反TPPを闘う農民に必要なのはこの戸村精神です!」と強調した。
 全学連の斎藤郁真委員長は、三里塚と連帯して全国で学生自治会の再建を進め、その力で安倍政権打倒へ向かうことを宣言した。
 集会の「まとめ」として萩原進事務局次長が立った。「三里塚はなぜ50年近くも闘ってこれたのか。雨の中、全国から多くの方々が結集して同じ目的でともに闘ってくれる。この同志愛、連帯は涙が出るほどうれしい。だから裏切れない。勝たねばならない。その積み重ねが50年近くになった」と謝意を表した。そして、「資本主義は終焉に向かっている。アベノミクスの化けの皮がはがれる。安倍は改憲と戦争、基地強化、増税、原発と全面的な攻撃をかけてきている。ならばわれわれも三里塚、動労千葉、福島、沖縄の闘いが本当に一つになって立ち向かわなければならない。オリンピックをダシに使って闘いを押しつぶし、住民を追い出そうとする――こんなことを許せるか! あらゆる人士に市東さん農地裁判への支持を訴えよう。控訴審で霞が関にのりこみ、共闘関係を拡大しよう。20131022a-7.jpg次の三里塚全国集会を3月23日に開催する。皆さんの創意工夫をこらした闘いを待っている。今日の参加者を上回る大結集を心からお願いしたい」と訴えかけた。
 最後に太郎良陽一さんがスローガン採択を行い、野平聰一さんのリードで団結ガンバローを三唱した。
 すでに長時間の雨にさらされ、参加者全員が例外なくずぶ濡れだが、この悪条件を闘志で跳ね返し、デモに出発した。市東さんを始め反対同盟がデモの最先頭に立って力強く行進した。
 手を伸ばせば届きそうな低空を飛行機が飛び続ける東峰地域を縦断し、市東さんの天神峰の畑と自宅の前を通り、第3誘導路を突っ切ってデモは進んだ。到着地は、南台の市東さんの畑だ。
 農民の命に等しいこの農地が、理不尽な裁判で奪われようとしていることに、デモ参加者はあらためて怒りをたぎらせ、控訴審闘争勝利を誓い合った。(TN)

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