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三里塚で第88回空港周辺一斉行動―「成田のLCC戦略は完全破綻」

成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れで、第88回一斉行動の朝の打ち合わせと「反対同盟ニュース」配布の準備を行った(10月18日)

10月18日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連の仲間は88回目の空港周辺情宣一斉行動を行った。前日からの雨も上がり、市東孝雄さん宅離れに集まり朝の打ち合わせを行った。
冒頭、東峰の萩原富夫さんが、「9・27全国集会ごくろうさまでした。だけど放っておいても成田は廃港にはならないので軍事空港にされる前に地域住民の決起と共に空港廃港に向かって闘いましょう」と呼びかけた。
続いて、反対同盟ニュース第83号の説明を現地の仲間が行った。1面は全国集会報道、2面は深夜運行への批判、3面はLCC(格安航空会社)誘致政策の破産について、4面は横芝光町の住民の声を掲載している。
太郎良陽一決戦本部長は、東京都庭園美術館(目黒区)で「生命の庭―8人の現代作家が見つけた小宇宙」と題する展覧会に市東さんの日常生活を取り上げた芸術家・志村信裕さん制作のビデオ作品が展示されることを紹介した。(東京都庭園美術館 https://www.teien-art-museum.ne.jp/)
市東さんが、「コロナ下で今飛行機は飛んでいないけど、今NAAを叩いておく必要がある。住民のみなさんと同盟ニュースに沿った内容で話してもらって意見交換してもらえればと思います。がんばってやりましょう」と激励した。
一同それぞれの担当地域に飛び出した。第3滑走路予定地の測量や移転交渉の話と共に、危機に立つJALやANAの正社員が副業のアルバイトを農家に頼んでいるとの声が寄せられた。
昨年の10月27日から成田空港会社(NAA)は住民の声を一切聞くことなくA滑走路の運用時間を深夜0時まで延長した。ところが、新型コロナでオリンピックは延期、入国制限が出される中、外国人観光客数は前年比で99%以上減が続いている。焦る政府とNAAは「GoTo」キャンペーンで無理やり東京都も対象にするも、10月16日の段階ですら欠航の方が圧倒的に多く、滑走路1本で十分に足りる状況だ。LCC各社は復活させた路線を再び運休させ、中部国際空港を拠点とするLCCエアアジア・ジャパンは全路線廃止、事業から撤退を決めた。成田を拠点とするLCC・ジップエア・トーキョー(JALが100%出資)は16日、初の乗客を乗せたフライトを行ったが、成田―ソウルの往路は2人、復路は1人という惨状だ。
NAA田村明比古社長は、「羽田が玄関口なら成田は勝手口を目指す」として世界の地方都市と成田をLCCで結ぶ戦略のもと第3ターミナルの拡張などを強引に進めてきた。ところが今や「世界からLCCが消える」と言われるほどになっている。機能強化を進めるためのLCC誘致政策は完全に破綻している。機能強化を今すぐ白紙に戻せ!
こうした反対同盟の訴えに住民から共感の声が寄せられた。LCC関連のニュースを見たという住民は「元には戻らないよ。今こそ機能強化を止める時」と述べた。「市東さんは仲間がいてうらやましい。空港の先行きは暗い」とも。
滑走路北側の騒音下の農家からは「農地は移転対象ではないので何とか作りつづけているが、米の値段が安くて大変」「こんな状況でも建設しようというのはやっぱり戦争のためでしょう」との声。
また目前に迫った市東さんの農地取り上げを許さない請求異議控訴審に向けた東京高裁あての要望書も複数寄せられた。
午後4時半、再び離れに集まり集約を行った。最後に市東さんが「空港の方もこのままではいない。やつらはまた姑息なことを考えてくる。そういうのをさせないためにも住民の人たちといろんな情報を共有しよう」とまとめ、一日の行動を終えた。次回行動日は、11月15日。(N)

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