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群馬に三里塚の市東さんを迎えて「食・農業」講演集会

三里塚反対同盟の市東孝雄さんが群馬の人々に農地を守る決意と感謝の言葉を述べた(9月16日 前橋市・県庁昭和庁舎)

9月16日、県庁昭和庁舎に三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんを迎えて、「お米さえなくなった 9・16 戦争と食・農業講演会」が50名の参加で大成功しました。司会は高崎金曜行動の木村香織さん。
最初に主催者の群馬・市東さんの農地を守る会の高階(たかはし)ミチさんからの「『琉球弧を戦場にするな』上映会で、軍事化の速さに驚くとともに、これと闘っているんだと市東孝雄さんのことを思いました。戦争と立ち向かう仲間づくり、団結する力を育てる会として今年も開催したい」の開会あいさつで始まりました。
農作業の労働歌『田植』『村の鍛冶屋』独唱で参加者がほぐれたところで、
改憲・戦争阻止!大行進ぐんまの田島俊昭さんから『戦争と食・農業』の講演に入りました。
その中で、「米がないという歴史的事態は戦争が始まる時と終わる時です。三里塚反対同盟がずっと訴えているように、政府は一方で農家と農業をつぶして農地を資本と戦争に奪い、農民を低賃金労働者にするとともに、もう一方で、米価下落で労働者を低賃金化させる」と断じました。
大化の改新以来の変遷を、耕地拡大・肥料・虫害対策・品種改良で解明し、日本資本主義の発展とその限界=資本主義には農業問題は解決できず、植民地=侵略戦争で「解決」しようとして大破綻したのに、今再び中国侵略戦争にのめり込み、米不足に至ったことを明らかにしました。
また、肥料のための空中窒素固定開発が火薬の大量生産で戦争の構造をまるで変えたことや、「農薬/毒ガス」「トラクター/戦闘車両」と、即戦時生産に移る資本主義の構造も暴きました。
そうした第一次世界戦争時の米騒動の発端はロシア革命への反革命戦争。その鎮圧に陸軍を122か所、のべ10万1718人をはりつかせ、シベリア出兵を妨害した国際連帯闘争でもあります。
最後に、「市東さんの農地強奪にスクラムで闘った。発展して、8・6広島にイスラエルを招き、原爆ドーム前集会禁止という大攻撃に500人がスクラムで闘い、攻撃を無力化しました。
広島で切り開いたものを今度は東京で十倍以上、6千人の大デモを実現しよう」と結びました。
いよいよ市東孝雄さんの登壇です。
市東さんは「反対同盟58年、こんなに長い闘いになるとは先輩たちも思わなかったろうが皆さんのおかげで続いています。成田空港は3500メートルの三つ目の滑走路を作ろうとしている。韓国の仁川空港に負けているのに。これに新たな闘いも起こっています。裁判は耕作権裁判が2006年から、農地法裁判は08年からですが、農地法裁判が先に判決が出た。耕作権裁判は9月30日が結審です。空港会社はおやじの署名・捺印のある『同意書』『境界確認書』を偽造し、裁判所の文書提出命令にも従わない。自分は50歳になったら天神峰に戻って農業を継ぐと思っていましたが、おやじが亡くなって48歳で戻って、萩原進さんたちに教えてもらいながら農業を続けています。農家は厳しいです。でも、種まいてうまくできて、消費者に美味しいねと言われるとやっていて楽しいです。誇りに思います。健康を保ち農地を耕し闘っていきます」と訴える市東さんに拍手が起こりました。
休憩の後、全国農民会議共同代表の小川浩さんが、「今年の米は上がったがコメ農家廃業ペースは過去最大です。米価は労働者の賃金に連動。去年のコメ農家の時給は10円。地域そのものが崩壊。政府は農家が潰れていいと。食料安保は農民の戦争動員。市東さんの闘いが重要です」
三里塚現闘の北里一枝さんは、「9月30日結審です。一審なのに仮執行付き判決を狙っている。私も裁判の証人に立つために調べました。政府は石橋副委員長を取り込めば三里塚闘争そのものを終わらせられると考えた。でも、石橋が裏切っても市東東市さんが決起した。84年に家を新築して、ここで病気の奥さんの面倒を見た。この東市さんの覚悟がなかったら今はなかった。国は今度は東市さんが死ねば三里塚は終わると思った。でも孝雄さんが決起した。私は三里塚の労農連帯には、(政府を倒し新しい社会を作る)闘う労働者の食料を確保する。労働者と農民が連帯し生きるために闘う。三里塚が反戦の砦という意味の中にはそういうこともあると思っています」と訴えました。

群馬合同労組から市東さんにカンパを手渡す

会場から郡馬合同労組執行委員が立ち、「私は農家の長男ですが、それだけでは生活できないので運送会社で働き、今春は反戦ストで闘いました。今の農政は百姓の徴兵制です」と弾劾しました。
続いて、同じく今春の反戦ストにたった小菅きぬ江さんが、「社会のことを知らなかった私が、市東さんの闘いを知ることで、群馬の森追悼碑破壊との闘いや今春反戦ストを決断できました」と発言して、「郡馬・市東さんの農地を守る会」会費とカンパを市東さんにお渡ししました。
会場の熱気の中で、大塚正之さんから「10月13日の全国集会には車を出します。三里塚に行こう。11月3日は東京・日比谷で日本最大の反戦デモを実現し戦争を止めよう」と呼びかけられました。
市東さんから参加者に心づくしの「じゃがいもパック」がプレゼントされて散会しました。
主食のない社会はすでに戦争。さらに怒りをたぎらせ、10・13―11・3に総決起しよう!(群馬・小林亮)

スケジュール
◎耕作権裁判 9月30日(月)午後1時30分開廷 最終弁論 千葉地裁
◎10・13三里塚全国総決起集会 10月13日(日)正午 成田市赤坂公園 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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