全学連大会 矢嶋尋新委員長体制を確立
中国侵略戦争阻止の歴史的決戦へ
学生・女性は反戦の先頭に
全学連第85回定期全国大会が9月12~13日、東京都内で開催され、米日帝国主義の中国侵略戦争・世界戦争情勢と対決する歴史的大会としてかちとられた。大会は、全学連の歴史上初となる女性の委員長=矢嶋尋さん(学習院大)ら新執行部を選出。8・6広島闘争まで上り詰めた1年の闘いを総括し、女性解放を巡る真剣な討論では帝国主義こそが戦争と差別・抑圧の元凶だと明らかにした。人生をかけ反戦闘争に決起する決意が女性や初参加者を中心に次々と語られ、10・7新宿デモと11・3集会への総決起を誓った。
まず、長江光斗書記長(京都大)が議案第1部・総括の前半を提起した。「反戦闘争としての反戦闘争」を闘おうと決意した昨年大会直後に起きたパレスチナ10・7蜂起への連帯をかけて全力で反戦闘争を闘いぬき、今年2月の暴処法弾圧をはね返して8・6広島で歴史的勝利をもぎとったと報告した。時代認識で武装し、大衆的実力闘争を復権させてきたことをその核心に据え、「被爆者の怒りを継承し、本気で闘えば核戦争を阻止できることを示した」と総括した。
次に太田蒼真副委員長(広島大)が、被爆者を先頭に闘われてきた8・6広島―8・9長崎の反戦反核闘争のさらなる爆発を訴えた。さらに赤嶺知晃委員長(沖縄大)が、2021年の赤嶺委員長体制確立以来、中国侵略戦争阻止の目的意識性を貫いて闘ってきたことが今年5月沖縄闘争で辺野古土砂搬入を阻止する歴史的勝利を切り開いたと報告した。
総括の後半を矢嶋副委員長が提起した。女性やセクシュアル・マイノリティーの解放に向けた数年来の格闘の中で、今年4月28日に起きた、デモ飛び入り参加者による全学連女性への強姦(ごうかん)未遂事件「4・28事件」を運動の課題として深刻に総括し、当該女性の決起に応えて対決したと報告。女性やセクシュアル・マイノリティーが置かれている現実に肉薄し、女性が先頭に立って闘える組織・運動を建設することを訴えた。
続いて、4・28事件で性暴力を受けたAさんが自ら特別提起に立ち、女性解放を実現する全学連を目指して渾身(こんしん)の決意表明と訴えを行った。
第2部・情勢を神野豊典副委員長(広島大)が提起した。米日帝国主義が中国侵略戦争を決断した未曽有の世界戦争情勢を見据え、中国侵略戦争絶対阻止の反戦闘争を呼びかけた。
第3部・方針を齋藤晴輝書記次長(東京都立大)が提起。「反戦政治闘争の先頭に立ち、70年安保・沖縄闘争を超える青年・学生の内乱的決起を実現しよう」と訴えた。決戦方針として、10・7蜂起1周年闘争を全国で爆発させること、11・3全国労働者集会に全学連200人の隊列で登場することを打ち出した。
来賓あいさつを、動労千葉の渡辺剛史書記長、三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さん、改憲・戦争阻止!大行進杉並の洞口朋子杉並区議が行った。
差別・分断打破し戦争阻む決意固め
討論では、ここ1年で決起した初参加者や10代の学生、とりわけ女性が議論をけん引した。多くの発言者が、Aさんの命がけの決起に応えて女性解放・被抑圧人民解放へ自己変革をかちとり闘うことを宣言し、人生をかけて戦争を止める決意を表明した。「みんな戦争情勢を実感し、止めたいと思っている」「デモ初参加の女性がスクラムを組んで機動隊と激突している。抑圧下の女性の決起に巨大な革命性がある」といった発言が続いた。討論を通して、11・3を中国侵略戦争・世界戦争阻止の一大政治決戦として爆発させることへの一致を深めた。
トランスジェンダーの学生は「帝国主義による分断を乗り越えることがセクシュアル・マイノリティー解放を闘う核心。みんなが共に闘った8・6原爆ドーム前決戦がその展望を示している」と確信に満ちて語った。留学生や障害を抱える学生も多数発言し、分断を乗り越える決意を表した。
神野副委員長が討論をまとめた後、議案の採択が行われた。矢嶋委員長、齋藤書記長を先頭とする新たな中央執行委員会が選出され、赤嶺前委員長の退任あいさつと矢嶋新委員長の就任あいさつに全体が大きな拍手で応えた。
全国300万学生の内乱的総決起を
就任あいさつ 矢嶋尋委員長
今大会の歴史的な成功を確認したいと思います。今大会の結論はただ一つ、今始まっている中国侵略戦争を絶対に阻止しましょう。この秋の反戦闘争の爆発から、首都中枢で巨大な反戦闘争、反戦デモを実現しましょう。そして、11・3全国労働者総決起集会に学生の大隊列を登場させましょう。
私たちは誰も経験したことのない世界戦争、核戦争情勢に直面しています。帝国主義、スターリン主義が今ほど行き詰まって、戦争をやる以外に出口がないところにまで追い込まれたことはありません。アメリカと中国の戦争は必ず世界戦争、核戦争になる。これを全人生をかけて絶対に阻止しましょう。
この中国侵略戦争との闘いは、帝国主義とスターリン主義を打倒する闘いです。私たちが立っているのは、核戦争で人類が滅ぶのか、それとも労働者が権力を取って新しい社会をつくっていくのか、この世界史の分岐点です。私たちはこの決定的な瞬間に、中国侵略戦争の出撃拠点である日本の学生として、全学連として闘っている。そしてこの戦争情勢と真っ向から対決する時代認識と路線を、ものすごい一致で持っている。ここに革命の圧倒的な現実性があります。この瞬間に、青年世代として生まれ、革命の主力を担う世代であること、これは困難であると同時にものすごくラッキーなことだと思います。
全学連は戦後、一貫して反戦闘争を基本的な任務として闘ってきました。そのすべての歴史を引き継いで今闘わなかったら、1971年渋谷暴動闘争での星野文昭さん、大坂正明さんの闘いは無駄になってしまう。そして、大報復を百も承知で立ち上がったパレスチナ10・7蜂起も無駄になってしまう。過去から今までのすべてを引き継いで闘う責任と困難を、皆さんと一緒に喜びをもって引き受けていきたいと思います。
私自身、今この激しい情勢の中で全学連委員長を引き受けるということは、これまでのどの代よりも重い責任があることだと思っています。戦時下の反戦闘争は犯罪にされますが、私たちは「連帯し、侵略を内乱へ」ということを断固として掲げ、弾圧も恐れずに闘っていかなければいけません。
そして戦時下の弾圧を打ち破る力は、赤嶺前委員長のつくり出したこの安保・沖縄闘争の大衆的復権の中に、すでに圧倒的に生み出されています。「パレスチナで人が殺されているのに、逮捕なんて恐れているわけにはいかないんだ」(大会での発言)——これは、全世界の帝国主義に怒る労働者・学生の誰もが普遍的に持つことのできる決意です。実際に8・6広島闘争では、学生も労働者も中国人留学生も、女性もセクシュアル・マイノリティーも障害者も、本当に一緒になって逮捕覚悟で闘いました。
私たち全学連はこの3年余り、中国侵略戦争阻止を大衆的に徹底的に訴えることと一体で、反差別の闘いの大前進を手繰り寄せてきました。とりわけ、「女性の政治と暴力の奪還」——女性が人類史上奪われてきた力を、運動全体の強烈な意識性のもとで取り戻し、人間の普遍的解放へ向かっていく路線を実践してきました。反戦闘争を闘う中で、女性をはじめ抑圧されている人たちの爆発的な、自己解放的な力が引き出されました。女子学生が解放的に実力闘争を闘う姿が、また新たな女子学生の決起を生み出し団結が拡大しています。
今大会では新しい学生、新入生がものすごい一致と水準で、自己変革を決意しながら闘う決意を固めました。この大前進に私自身も勇気づけられているし、さらなる前進は間違いないと確信しています。
8・6広島では、新入生や飛び入り参加者も一緒になって闘いました。権力は私たちのスクラムに一指も触れることができなかった。日比谷に、首都中枢に6千人を集めたら、労働者階級が権力を取っていくような闘いを本当に実現できます。11月に6千人を集め、労働者が戦争を止めて権力を取れる決定的な一歩を勝ち取りましょう。
中国侵略戦争阻止の反戦闘争は、すべての人が主体になって闘える闘いです。そういう内実をもった闘いを全学連がつくってきたということは、新しい中央執行委員会の人事にも多分に表現されていると思います。ウクライナ戦争以降に全学連に結集した若い仲間たち、そして女性、セクシュアル・マイノリティー、この人たちが本当に反戦闘争の主体になって、リーダーになって、顔と名前を出して闘っていく。このことが、本当に新たな爆発的決起を引き出していくことは間違いないと思います。
私たち全学連新執行部はこの闘いの先頭に立って、自分自身の飛躍と変革をかけて、全国300万の学生の内乱的総決起をつくり出す決意です。共に闘いましょう。
人生かけ絶対反戦闘う時代
委員長退任あいさつ 赤嶺知晃さん
世界戦争か世界革命かという時代に、全学連委員長を担えたことは本当に幸せなことだと思っています。2021年に私が委員長になってからは、世界戦争・核戦争に日帝が主体的に参戦していく過程でした。労働者階級の怒りを体現して闘う中で、仲間と団結してあらゆる困難を突破してきました。
21年の大会を前後する過程は、矢嶋さんや齋藤さんをはじめ、今の全学連をけん引する仲間がコロナ下で結集し始めた時期でもありました。矢嶋委員長は戦争反対の階級闘争を体現し、すでに多くの学生をけん引しています。そして齋藤書記長は、私と一緒に絶対に沖縄闘争、階級的な反戦闘争をつくろうと立ち上がった人格です。この2人のもとで、日本の学生や世界の労働者階級は本当に力いっぱい闘えると思います。
この大会には、日本の反戦運動・学生運動、そして社会を根本から変える運動のリーダーが集まっています。人類を何回も絶滅させるような世界戦争・核戦争で延命を図る帝国主義、何よりも日帝への主体的な怒りを燃やして闘いぬくことがますます問われています。そういう決意があふれかえる大会になった。ここに社会を変える展望を感じました。
今こそ、人生をかけて戦争絶対反対で闘うべき時代です。反戦闘争にはその価値があります。8・6広島で示したように、私たちの闘いが情勢を一変させる。ここまでたどり着いたことを本当にうれしく思います。11月集会へ、反戦闘争に次ぐ反戦闘争を展開していきましょう。
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