韓国鉄道労組が天神峰を訪問し三里塚反対同盟と交流
2・12国鉄集会が東京で開かれた翌日の2月13日、韓国鉄道労組ソウル地方本部の8人が動労千葉の案内で、成田市天神峰を訪れ三里塚芝山連合空港反対同盟と交流した。
強い雨が降り続く悪天候の中、夕刻に一行の乗るバスが、座り込み闘争が続く市東孝雄さん宅前に到着。農作業中の市東さんにあいさつし、三里塚現地闘争本部員から、この地に農地強奪強制執行攻撃がかけられている現在の緊迫した状況について説明を受けた。本来なら現地調査として各所をめぐり攻防点を直に確認してもらうところだが、雨は降りやまず地面のぬかるみも激しいことから、市東さん宅離れに入りDVD「三里塚2021/市東さんの農地を守れ」を見ながらの交流会となった。反対同盟からは市東さん、萩原富夫さん、宮本麻子さんが参加した。
最初に市東さんが韓国語で「アンニョンハセヨ、シトウタカオ、ノンミンイムニダ」(こんにちは、市東孝雄、農民です)と自己紹介し、一同の笑顔がはじけた。市東家が祖父の代から三代この地で農業を営み、暴力的な空港建設と闘っていること、当初から戦争と軍事空港に反対していること、動労千葉が労農連帯を強めて共に闘っていることなどが、通訳を介して鉄道労組の組合員に伝えられた。三里塚闘争が57年の長きにわたって続いていることには感嘆の声が上がった。
「長い闘いの中では、さまざまな厳しいことつらいことがあったのではないですか」との質問に市東さんは、「おやじが亡くなって跡を継ぐためにこの地に帰ってきましたが、生き方を決めていたので、きついとかいやだとかいう気持ちはなかったです」と答える。
画面では、市東さんの南台農地の存在によって「への字」に曲がった誘導路を走行するジェット機、71年の強制代執行における激突などのシーンが次々と流れ、三里塚がまさに国家暴力と民衆との激突の場であることがリアルに伝わった。
逮捕者・負傷者の多さや敵の切り崩し攻撃、騒音問題などに関する質問などが相次いだ。市東さんは、「昔の農家はみな貧しかった。空港公団によって目の前にたくさんのお金を積まれて、出ていくことになった人も多かった」と語った。脱穀作業中の大木よねさんに機動隊が襲いかかり、苛烈な暴力をふるって大けがを負わせ地面に放り出す映像には全員が見入り、怒りを共有した。
動労千葉のデモが映像に登場すると、田中康宏顧問がジェット闘争の概略を解説した。「危険なジェット燃料を貨車で空港へ運べという命令が来たが、私たちは反対同盟との連帯にかけて貨車輸送を拒否し長い闘いが始まった。動労本部からは統制処分を受けたが闘いを継続し、本部から独立する力になった」と語り、鉄路を武器に闘った経験と気概を伝えた。
鉄道労組ソウル本部は市東さんに闘いのカンパを手渡し、反対同盟からはTシャツと三里塚DVD韓国語版が贈られた。
最後にチェミョンホ・ソウル本部長が「長いあいだ闘い抜いてきた反対同盟が必ず勝利することを心から願います。韓国鉄道労働者も反対同盟を支持し、戦争を阻止する闘いに連帯します。トゥジェン!」と力強くあいさつし、離れは熱い拍手に満たされた。
国境をこえた労農連帯の歴史が、新たにここに刻まれた。(TN)
スケジュール
◎空港拡張差し止め裁判(旧称、第3誘導路裁判)3月3日(金)午前10時30分開廷 千葉地裁
◎3月26日(日)芝山町での集会
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