天神峰カフェで監視台に新看板設置―Close the Airport!(空港閉鎖せよ!)
5月29日、天神峰カフェが市東孝雄さん宅中庭で開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟、支援連絡会議に加え、東京、千葉などから十数人が参加した。
正午、夏を思わせる強い日差しで気温がぐんぐん上昇する中、市東さん宅離れに「天神峰カフェ」の小看板を掲げオープンした。用意された手作りのサラダ、梅干し、みそ汁などが参加者にふるまわれ、しばらくの間歓談に花が咲く。そんな中でも支援連の作業担当者は準備に余念がない。この日のミッションは、市東さんの天神峰畑の一角に立つ反対同盟の監視台に、新たな看板を設置することだ。
「Close the Airport!」(空港を閉鎖せよ!)と大書されたこの新たな看板は、コロナ禍で観光需要が蒸発して未曽有の経営危機に直面し、また戦争の具体的切迫のもとで軍事空港への転化がもくろまれる成田空港に対する反対同盟の決意だ。これを誘導路を走行するジェット機の操縦士や乗客に見えるように設置する。
監視台は単管とクランプによって組み立てられた簡素な作りだが、長年にわたり市東さんの畑から目の前の空港を厳しく見張る場所として、これまでもこの地を訪れた無数の人々がここに上ってきた。
決戦本部長の太郎良陽一さんを先頭に身軽に台に上り声をかけ合いながら、単管を組み直し、クランプの位置を移してネジを締め上げ、はしごを固定し直してゆく。そして木製の看板をロープで引き上げ金具で固定した。
作業中も、数機のジェット機が30メートル先を轟音を立て、目には見えないが排気ガスを大量に吹き出しながら走行していった。そしてすぐ目の前の空港との境界線であるフェンス上部にはセンサーの電線が張られ、「異物」が感知されれば、警備員らが直ちに飛んでくるというシステムだ。
予想を超える直射日光と高温の厳しさを体感しつつ、1時間半の作業をやりぬき堂々完成! 他のやぐら、看板などとともにこの新看板付き監視台を守り、そして何よりも市東さんの農地を守り抜く決意を込めて、参加者全員がこぶしを突き上げた。
再び市東さん宅離れの中庭で麦茶、コーヒーを飲みながら、市東さんの農地取り上げに反対する会、東京西部ユニオン、都政を革新する会などの参加者が感想を述べあった。
監視台に上りこの日の作業を率先して担った都革新のAさんは、先月84歳で亡くなった長谷川英憲元代表の5月18日「お別れ会」に150人が参加し、反対同盟の萩原富夫さんが弔辞を読み上げたことを報告した。そして、「長谷川さんが杉並区民とともに進めてきた消費者運動、三里塚無農薬野菜の産直運動が、これからの時代に力を発揮してくると思う。私が初めて三里塚を訪れたのは、1977年5・29全国集会。ちょうど45年のこの日にここで楽しく作業できてうれしい。市東さんの農地を守るために闘いを広げていく」と語った。
反対同盟事務局の伊藤信晴さんは、「Close the Airport!、空港廃港を現実のものにしなければならない。そのために、戦争情勢の到来のもと民衆の闘いに火をつけよう」と述べた。
太郎良さんは、強制執行を阻むために今後の天神峰カフェでそれぞれが創意工夫をこらして企画を考え持ち寄ってほしい旨を訴え、7・3天神峰樫の木まつりの開催を告知し結集を呼びかけた。
終始和やかな雰囲気の中でも、参加者全員が「この農地を絶対に守り抜く。緊急時にはこの場所に駆けつける」という不抜の決意をあらためて固めあった。(TN)
スケジュール
◎団結街道裁判 7月1日(金)午前10時30分開廷 千葉地裁
◎第5回天神峰 樫(かし)の木まつり
7月3日(日)午後0時30分 市東さんの南台の畑集合 0時45分 デモ出発 1時30分~交流会
主催 三里塚芝山連合空港反対同盟
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