3・25三里塚、市東さん農地死守の闘いと福島の怒りが固く結合!
3月25日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する三里塚全国総決起集会が開かれ、①福島と連帯し原発再稼働を阻止する、②市東孝雄さんの農地を守る、という差し迫る二つの闘いが結合した文字どおりの総決起の場になった。
前日の雨もあがり、東峰十字路北の市東さんの畑を会場に、全国から労農学人民1055人が結集した。演壇には急逝した鈴木謙太郎さんの遺影が飾られ、集会横断幕には「原発再稼働許すな! TPP反対! 農地取り上げ阻止!」と三つのスローガンがシンプルに明記されている。婦人行動隊・宮本麻子さんの司会で正午に開会。最初に参加者全員が鈴木謙太郎さんへの黙祷を捧げた。
森田恒一さんが開会宣言を行い、「機動隊が市東さんの農地を奪いに来たとき、私は95歳だが先頭に立ち命をかけて闘う」と決意を示した。北原鉱治事務局長が主催者あいさつに立ち、1978年の福田内閣の3・30開港宣言を粉砕した開港阻止決戦を振り返りながら、「決戦の時が来た! あの時と同じように実力で闘い、市東さんの家と畑を空港施設で囲い込む暴挙を必ず粉砕しなければならない」と訴えた。
萩原進事務局次長が基調報告を行った。沖縄米軍基地、原発、成田空港の三つを挙げ、「支配階級が国策・国益と称して進めてきたものが、民衆を苦しめ死に追いやっている」と激しい怒りをたたきつけた。そして全国農民会議の結成を報告し、「福島の農民と一緒に農地を奪還する闘いに立つ」と宣言した。さらに成田空港軍事化を許さぬ反戦闘争を推進しながら、市東さんの農地を守る裁判闘争と現地闘争を全力で闘い、その闘争陣形を強化拡大することを全身全霊で呼びかけた。
反対同盟の熱いアピールに応え、動労千葉の田中康宏委員長が特別報告に立ち、「なんとしても市東さんの農地を守ろう。断末魔の資本主義を打倒する時が近づいている!」と訴えた。そして4・1業務全面外注化を阻止したこと、23日に動労水戸が被曝労働拒否のストに立ち上がったことを高らかに報告した。そして拠点つぶしを狙う基地統廃合攻撃に対し指名ストの闘いの上に、「新設される佐倉運輸区に最強の拠点をつくる」と決意を表し、新自由主義攻撃への大反撃を呼びかけた。
沖縄と関西住民の特別報告に続き、市東孝雄さんが大きな拍手で迎えられた。市東さんは3・11福島県民大集会で農民の発言を聞き、怒りを共有したことを率直に語った。そして第3誘導路工事による追い出し攻撃、裁判でのNAAの違法とデタラメに怒りをあらわにし、「私はびくともしません。これまで通りがんばります。昨年までの“自然体”をとっぱらい、全力で闘います。日本を変えましょう!」と闘争心を前面に立てた決意を表明した。続いて市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会が市東さんとともに並び、決意を述べた。
鮮やかな緑色ののぼりを掲げて、2月に結成された全国農民会議に結集する農民が壇上に勢ぞろいした。闘う農民組織が3・11福島に続いて三里塚に登場したのだ。福島と千葉の農民、反対同盟の萩原富夫さんの3人が、TPPと原発再稼働を進め農業切り捨てに走る日帝・野田政権を徹底弾劾した。
司会を伊藤信晴さんに交代し、葉山岳夫弁護士を始めとした反対同盟顧問弁護団が登壇した。法廷での闘いを具体的に報告し、署名偽造まで行うNAAの暴挙をあばき、裁判勝利への決意と展望を述べた。婦人行動隊の鈴木加代子さんがカンパアピールに立った。悲しみをこらえながら、しかし堂々とした「とうちゃんの遺志を継いで娘とともに農業を続け闘っていく」との決意表明に、惜しみない拍手が送られた。
住民団体の発言の最初に、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の椎名千恵子さんが紹介された。椎名さんは「私が40年以上前に三里塚に来たときは、炎、煙、催涙弾の中でした」と回顧し、農地・大地が放射能によって根源的に脅かされてなお再稼働を進めようとする者たちに深く激しい怒りを表した。そして「三里塚農民の思いを福島につなげる」と結び、全参加者の胸を打った。さらに婦人民主クラブ全国協議会、星野文昭同志のメッセージを代読する星野暁子さん、全学連の斎藤郁真委員長などが次々と発言に立った。最も若い発言者の斎藤君は、市東さん農地死守に全力決起し、法政大、福島大キャンパスから原発再稼働阻止の力をつくることを熱烈にアピールした。野平聰一さんが集会宣言を読み上げ、太郎良陽一さんのリードで団結ガンバローを三唱。ただちにデモに出発した。
東峰地区から市東さん宅の前を通り、小見川県道へ。そこは、高いフェンスに囲まれ巨大クレーンなどが稼働する第3誘導路の橋脚架設工事の現場が目の前だ。市東さん追い出しのためだけに巨費を投じて進められている工事に、デモ隊の怒りが高まる。さらにNAAは来年3月完成期限に追いつめられ、真夜中の突貫工事を行うため、3月26日から7月末まで23時から翌朝5時の時間帯にこの小見川県道のトンネルの片側車線を市東さん宅前の道路に迂回させるという告知看板を立ててきた。工事の騒音と車両の振動で市東さんの睡眠を奪う気か! 絶対に許せない。
デモ到着地は、明け渡し攻撃と闘う市東さんの南台の畑だ。農地は農民の命であり、そしてわれわれすべてにとって命を育む源だ。怒りを倍加させてシュプレヒコールを行い、「この農地を絶対に守りぬく」と全参加者が誓った。(TN)
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