7・9三里塚現地闘争と樫の木祭り――市東さん「裁判必ず勝つ」
7月9日、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで、三里塚現地闘争と天神峰樫の木まつりが開かれた。「市東孝雄さんの庭に集い、開拓100年の歴史を生きる樫の木のように抵抗の根を広げよう」との反対同盟の訴えに応え、全国から労働者・農民・学生・市民180人が結集し、さらに韓国済州島(チェジュド)の新空港反対運動を闘う住民が駆けつけ、ともに勝利を誓い合い、大成功した。
灼熱の太陽のもと、正午を前後して全国の人びとが市東さんの南台の耕作地に集まった。作物はのびのびと力強く育っているが、周囲は鉄板によって囲われ、すぐ向こうをジェット機がひっきりなしに走行し発着している。そして私服警察官や機動隊が大挙動員され参加者を監視するという異様な光景だ。
現闘の同志がマイクを使って一同に説明した。かつてはすぐそばに反対同盟の現地闘争本部建物があり、団結街道がこの畑と市東さんの自宅とを直線でつないでいた。国家権力と空港会社(NAA)は夜陰に乗じてだまし討ち的にこれらを破壊した。
そしてこの畑の存在が、空港B滑走路の誘導路をへの字に湾曲させている。NAAはこの土地を強奪するために市東さんを裁判にかけている。
まさにこの場所で日々農業を続けることが、人生をかけた市東さんの闘いであることを参加者は実感した。
太郎良陽一さんの司会で集会が始まった。最初に伊藤信晴さんが反対同盟の決意として、周辺住民の怒りと結んで第3滑走路を阻止し、市東さんの農地を守る陣形を強化拡大することを宣言した。
続いて動労千葉の田中康宏委員長が連帯発言に立ち、安倍政権の「選択と集中」攻撃による地方切り捨てを断罪し、住民の怒りを組織して新たな闘いへと進む反対同盟との連帯を誓った。
さらに関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の発言を受け、炎天下のデモに出発した。
警察の規制をはねのけて、デモは反対同盟を先頭に、市東さんが毎日往復する道を進んだ。団結街道の3倍もの道のりを日々強いられているのだ。宣伝カーからは婦人行動隊・宮本麻子さんがシュプレヒコールをリードした。第3誘導路のトンネルをくぐると、市東さんの畑の一角に立つ「強制収用阻止」の立て看板に出迎えられた。この農地も明け渡し強制執行の対象地であり、看板も係争中の物件だ。
参加者は汗をぬぐいながら、市東さん宅の樫の木がそびえ立つ庭に集合。早速現地の同志たちが用意した肉じゃがなどの料理がふるまわれた。もちろん三里塚の有機無農薬野菜が主人公だ。
東峰の萩原富夫さんがまつりの開始を宣言。この日のハイライトは、韓国から訪れた済州(チェジュ)第2空港反対委員会の登場だ。カンウォンボ委員長が「済州第2空港絶対反対」の横断幕を掲げて発言に立ち、「三里塚が51年間闘ってきたことに感動しています。みなさんの熱い気持ちを持ち帰り闘います。市東さんの農地を守ってください!」と訴えた。反対同盟と旗や記念品を交換し、「トゥジェン!」で心意気を一つにした。
萩原さんが反対同盟の闘争方針として、7・23天神峰カフェ、7・24新やぐら裁判、8・10請求異議裁判への結集を訴え、空港機能強化の攻撃に対しては住民とともに断固粉砕する決意を述べた。
ここで歌の時間に。日韓の労働歌、「反対同盟の歌」などを全員で熱唱して闘争心を高め、シャンソンで心を和ませた。
群馬、茨城、沖縄の市東さんの農地を守る会、婦人民主クラブ全国協、全国水平同盟、全国農民会議、福島の椎名千恵子さん、全学連の斎藤郁真委員長などが連帯のあいさつを述べた。全国農民会議の小川浩共同代表は、「種子法廃止」「優良農地の転用可能化」などに見られる安倍農政の農家切り捨て、農業の企業への売り渡しを批判し、三里塚とともに闘い抜く決意を述べた。
決戦本部長・太郎良さんのアピールに続き、最後に市東さんが大きな拍手に迎えられて締めのあいさつに立った。「請求異議裁判、耕作権裁判に絶対に勝たねばならない。特に耕作権裁判は勝てる裁判です。今日の樫の木まつりは大成功でした。これからもぜひ一緒に闘ってください」。この勝利感を全員で共有し、団結ガンバロー三唱で一日を締めくくった。(TN)
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