「廃道は違法だ!」 団結街道裁判、鑑定のデタラメを追及
10月11日、千葉地裁で団結街道裁判の口頭弁論が開かれ、原告の市東孝雄さんはじめ三里塚反対同盟と顧問弁護団、傍聴席の労働者・学生・市民が、農地強奪攻撃への怒りに燃えて闘いぬいた。
天神峰の市東孝雄さんは、自分の家と畑を直線で結ぶこの道路を農作業で日に何度も往復してきた。その市東さんに無断で成田市は「廃道」を決定・通告し、昨年6月28日に夜陰に乗じて封鎖・破壊を強行し、NAAに払い下げた。廃止処分を取り消して団結街道を元に戻すことを求めて、市東さんら反対同盟の19人が訴えたのがこの裁判だ。
成田市とNAAは恥知らずにも「原告適格がない」と強弁し、「代わりの道を通って畑まで行ける」「畑に正当な占有権があると認められない」「廃道に際して市東さんの同意を得る必要はない」などと、居直り強盗の論理を主張してきた。「代わりの道」だと?! 市東さんは畑まで行くのに、それまでの3倍もの時間をかけ、交通量の多い道を通って行かねばならなくなった。これは営農妨害そのものだ。絶対に許せない。
団結街道は1920年代から天神峰部落の入会道路として使用されてきた。天神峰の区長である市東さんの同意を得ず強行された道路封鎖こそ、違法のかたまりだ。
弁護団は準備書面を陳述し、NAAとその手先に成り果てた市当局を弾劾した。そして求釈明として、「成田市に〈用途廃止の要綱〉は存在するのか。存在しないならどういう規準で道路の廃止手続きを地元住民との関係で行うのか明らかにせよ」と迫った。さらに市が通常の5分の1という破格の安値で道路の土地をNAAに払い下げた件について、市が出してきた無責任でデタラメな不動産鑑定を追及し(「不動産評価基準に則っていない」とあらかじめ自認している!)、いかなる鑑定を依頼したのか全面的に明らかにするよう迫り、市とNAAの癒着を追及した。次回法廷は来年の1月17日。
閉廷後、弁護士会館で記者会見と報告集会が開かれた。北原鉱治事務局長が冒頭に、「決戦の時が迫っている。農民の住居・土地が再び国家暴力によって奪われようとしている。日本農民への重大な挑戦と受けとめ、反対同盟は闘う」と強い決意を表した。続いて葉山岳夫弁護士はじめ弁護団が裁判を振り返りながら、現地攻防と一体で法廷において市とNAAを今後も容赦なく追いつめることを明らかにした。特に地元住民の同意を得ない道路の廃止など、常識的にもあり得ないことが追及のポイントとして強調された。萩原進事務局次長がまとめの発言に立ち、「10・9集会で反対同盟は、福島農民との連帯と市東さんの農地を守る決戦への突入を高らかに宣言し、決戦態勢に入った。その一環として今日の裁判もある」と述べ、市とNAAの不正を追いつめていく決意を示した。
司会の鈴木謙太郎さんが最後に「来週18日午後にも市東さんの農地裁判があります。私たちも出荷を午前中にやって、どっしり構えて臨みますので皆さんも結集を」と呼びかけた。(TN)
市東さん行政訴訟・農地法裁判 10月18日(火)午後2時開廷 千葉地裁
市東さん耕作権裁判 10月24日(月)午前10時30分開廷 千葉地裁
※傍聴券抽選のため1時間前に集合を
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