団結街道裁判、9人の証人採用求め意見書
6月3日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で団結街道裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、成田市当局による団結街道の廃道処分への怒りを新たにしてこの日の法廷に臨んだ。
成田市は2010年6月、天神峰の市東孝雄さんが日常的に営農で使っていた団結街道を、夜陰に乗じて暴力的に封鎖・廃止し、その土地を成田空港会社(NAA)に格安で売り飛ばすという前代未聞の暴挙を行った。市は「代替道路を整備したから廃道の要件は満たした」などと居直っているが、市東さんは南台の畑に通うために、団結街道封鎖後、3倍もの道のりの「代替道路」往復を強制されている。
この日は冒頭に、裁判官の交代に伴う更新意見陳述を反対同盟顧問弁護団が行った。
「団結街道の廃道処分は市東さんに対し、農業をやめろと言い、一人の人間の生活を奪う重大な攻撃だ。被告の市・NAAは成田空港の公共性や国益・公益をたびたび強調してこの暴挙を居直るが、とんでもないことだ。国益・公益の名で思い出すのは、日本の戦争の歴史だ。市東さんが続けている農業こそ、人びとが生きていく上で最大の公益がある。住民の利益を守るべき市が、空港の手先となって住民を追い出そうと営農を妨害するとは何事か!」
さらに弁護団は9人の証人採用を求める意見書を提出した。原告本人の市東孝雄さん、萩原富夫さん、当時市議会議員だった足立満智子さん、経済学者の鎌倉孝夫さん、廃道処分に関係した成田市とNAAの当事者・責任者などだ。「証人は必要ない」と主張する被告らに対し、意見書は廃止の違憲・違法性を証明するために、9人の証言が必要不可欠であることを明らかにし、裁判書と被告側に突きつけた。
居並ぶ市とNAAの代理人弁護士たちは、自分たちの悪行が満天下に暴かれることを恐れて意気消沈し、不安そうにお互いに目配せをしている。
次回期日を8月5日午前として閉廷した。
近くの会場で伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士を始め弁護団がそれぞれ、被告側と裁判所を追いつめている手応えを語り、市東さん農地法裁判や耕作権裁判と一体で勝利する意気込みを明らかにした。
7・3三里塚50周年東京集会の成功を誓って集会を終えると、反対同盟と支援連は直ちに千葉市の繁華街に繰り出し、農地強奪の強制執行を許さない最高裁緊急5万人署名を呼びかける情宣活動を行った。(TN)
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