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進む中国バブル崩壊 日系広州富士高微電子有限会社の工場売却に怒りのストライキ

20140920a-1.jpg 9月15日より、日系広州富士高微電子有限会社の全工場800人の労働者がストライキに突入した。労働者は工場の前の道を塞ぎ、警察と対峙しながらストライキを闘っている。
 日系広州富士高微電子有限会社は、フジマイクロ株式会社の中国工場で、広東省広州市にある。電気機器に使われるモーターなどを生産している。この工場は、労働者に秘密裏に売却された。そして経営者は、労働者に賃金も保証金も払わないまま、逃亡したのである。これに対する怒りがストライキである。

20140920a-2.jpg 一方的な工場の売却、そして経営者の逃亡という事態に、労働者はストライキと道路封鎖に決起し、賃金と賠償金の支払いを求めて闘っている。これは崩壊する「改革・開放」政策、中国スターリン主義の下での新自由主義的な政策の展開とその崩壊に対する中国の労働者の怒りの決起である。そして中国では、こうした労働者の資本と政府に対する「生きるため」の闘いが、各地で連日のように起きている。
 中国バブル経済の崩壊が本格化している。中国・国家統計局が9月18日に発表した統計によれば、8月の全国主要70都市の住宅物件販売価格は68都市で下落した。この間の不動産への規制の緩和、景気刺激政策にもかかわらず、この事態で20140920a-3.jpgある。この不動産価格の下落は、膨大な借金を抱える地方政府を直撃しており、その危機が一挙に爆発しようとしている。
 例えば“寧波市の2014年における負債総額は468億2500万元(約7910億6155万円)に達するが、不動産市場の冷え込みとともに14年第1四半期の土地販売の成約量は前年同期比17.16%減となり、土地の販売収入も同45.26%20140920a-4.jpg減と大きく落ち込んだ”(サーチナ 8月26日(火)6時35分配信)と言われている。“「1日に1億元(約16億8950万円)以上返済しても1年間では返済しきれない額の負債」(寧波大学の張慧芳教授の発言)”(同)。
 さらに中国では社債の発行残高が、昨年末の時点で米国の13兆1000億ドル(約1325兆円)を上回って世界一の14兆2000億ドル(約1450兆円)にも達しており、バブル崩壊は地方政府の財政破綻とともにこれらの不良債権問題を爆発させて金融恐慌を呼び起こし、それは中国経済の崩壊から世界大恐慌の本格的な爆発の引き金を引こうとしているのである。
 すでに中国の製造業なども行詰まりを深めており、こうした中国バブル経済の崩壊、行詰まりの中で、外資系企業も生産拠点を東南アジアに移したり、あるいは中国内陸部への移転を進めている。今回の広州富士高微電子有限会社の工場の売却も、こうした中国経済の危機の中で起きている。
 新自由主義との闘いは、まさに国境を超えた闘いである。それは同時に、戦争に反対する全世界の労働者の闘いと一体である。11月労働者集会の成功を勝ち取り、中国の労働者との団結をつくりだしていこう!(K)

写真は上から、
①「広州富士高の全労働者は“政府は正義を行え!”と強く要求する」と書かれた横断幕を掲げて道を封鎖する工場労働者
②「不良日本人は信義に背いて、1500万元(2億5500万円)の賃金を未払いにしている」という横断幕を掲げて交通を遮断する労働者
③路上の闘いの全体像
④工場内を占拠してストライキを続ける労働者

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